1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480386
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
市川 銀一郎 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40053061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 卓也 順天堂大学, 医学部, 助手 (70210333)
石川 正治 順天堂大学, 医学部, 助手 (40202973)
井沢 浩昭 順天堂大学, 医学部, 助手 (10176125)
浅井 俊治 順天堂大学, 医学部, 助手 (10177967)
上原 純夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (20138316)
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Keywords | 聴性誘発反応 / 聴性脳幹反応 / 聴性中間反応 / 頭頂部緩反応 / 対数時間軸 / 脳電図 |
Research Abstract |
聴性誘発反応のうち頭頂部誘導で記録出来る聴性脳幹反応、聴性中間反応、頭頂部緩反応の対数時間軸記録による連続時間軸記録を行った。その結果、これらの反応成分は各々独立したものではなく、フィルタ単域などの影響により、各成分間に融合が起こったり、別の名称で呼ばれている反応成分が全く同一の電位を示したりした。すなわち、ABRのSLew陽性成分はMLRのP_0と、またSORのP_1は従来報告されているようなMLRのP_bではなく、MLRのP_a、P_bがフィルターにより融合した結果P_1を成形していることが判明した。またABRの連成成分を明瞭に記録しながらABR、MLR、SVRを等間隔時間軸で記録するためには約2.5mの長さでプリント・アウトしなければならず、これは臨床用処理機では不可能なため、対数時間軸表示による記録の有用性が再確認された。また、記録の最初の10msecのみ等間隔時間軸とし、その後を対数時間軸とすることにより、従来のABR連成成分の判読は十分可能であり、後続する反応成分の変化を観察出来ることも判明した。 また、誘導法の異なる蝸電図とABRを対数時間軸で連絡記録することにより、内耳レベルの情報と後迷路の情報を連続的な変化として観察出来ることを動物実験にて確認した。この方法の最大の利点は脳神経学的な聴性誘発反応の応用におけるピーク間潜時の測定が従来よりもはるかに性格になり、微細な変化を早期に発見出来ることである。 脳電図における潜時変化は、その安定性に優れ、聴覚中枢路のインパルス伝達異常をとらえることが可能と思われた。しかし、現在は16ch誘導であるため、頭皮上の分布をみる場合、特別な補関を行うことによる誤差が生ずる、この点今後の課題である。 聴性脳幹反応の陰性成分の検討をも開始した。その起源については未解決の分野であるが、陽性連波に比べ劣らない安定性を呈した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 市川銀一郎,河村正三,上原純夫,斉藤秀樹,江原義郎: Audiology Japan. 31. 669-670 (1988)
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[Publications] 上原純夫,河村正三,市川銀一郎,石川正治,芳川洋,江原義郎: Audiology Japan. 31. 671-672 (1988)
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[Publications] 井沢浩昭,河村正三,市川銀一郎,小野一郎,中川雅文: Audiology Japan. 31. 379-380 (1988)
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[Publications] 石川正治,市川銀一郎,上原純夫,浅井俊治,斉藤秀樹: 第18回脳波筋電図学会にて発表,日本聴覚医学会誌. (1988)
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[Publications] 山川卓也,市川銀一郎,小野一郎,井沢浩昭,河村篤子,中川利香: 第18回脳波筋電図学会にて発表,日本聴覚医学会誌. (1988)