1990 Fiscal Year Annual Research Report
機能圧下におけるジルコニアインプラント周囲の骨動態
Project/Area Number |
63480430
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤川 安正 広島大学, 歯科部・附属病院, 講師 (00127599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津賀 一弘 広島大学, 歯学部, 助手 (60217289)
野崎 晋一 広島大学, 歯学部, 助手 (50208336)
津留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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Keywords | ジルコニア / セラミック / インプラント / 機能圧 / 1回法 / 安静期間 |
Research Abstract |
機能圧負荷時期の違いによるジルコニアインプラント周囲骨組織の動態の変化について解明するため,前年度に引き続きビ-グル犬を用い実験を行った。本年度は機能圧を長期間(12カ月)負荷する条件について実験を行った。 実験群は以下の3群(B群:機能圧負荷時期を植立後3カ月とし,その後12カ月間負荷をかける。C群:機能圧負荷時期を植立直後とし,12カ月間負荷をかける。D群:負荷をかけず,12カ月間飼育する。)とした。 その結果,臨床的観察では安静状態を保った後に機能圧をかけたB群および負荷をかけなかったD群では,健康な歯肉と臨床パラメ-タ-のよい数値が得られたが,直後から負荷をかけたC群では,インプラント周囲歯肉の一部に発赤を認め,退縮傾向を示す部位があり,歯肉溝滲出液量も大きくなる傾向を示した。X線学的には,3群ともインプラント周囲に透過像はみられず,周囲骨組織にも異常所見は認められなかった。組織学的所見では,全ての群で線維性組織の介在のない直接的なインプラントー骨接触界面が得られた。骨形態計測からは,各群で骨接触率に差はみられなかったが,C群では頬側骨頂部の吸収が大きく,一部インプラントのネジ山が骨縁上や歯肉縁上に露出したところも観察され,臨床的所見を裏付けていた。 以上の結果より,ジルコニアインプラントへの機能圧の負荷時期を植立後3カ月の安静状態を経過した後にした場合,良好な骨接触状態が得られること,さらに,この状態は長期間の機能負荷によっても影響されず良好に維持されることなどが示された。
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