1988 Fiscal Year Annual Research Report
若年者における歯周疾患の発現と成因に関する疫学的研究
Project/Area Number |
63480457
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐々 竜二 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 教授 (20014201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 幸恵 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 助手 (10187437)
笠原 正江 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 助手 (10185746)
山下 登 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 講師 (00129876)
井上 美津子 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 講師 (20112724)
鈴木 康生 昭和大学, 歯学部・小児歯科, 助教授 (80107309)
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Keywords | 歯周疾患 / 若年者 / 歯肉色 / C.P.I.T.N / 意識調査 / PL-1値 |
Research Abstract |
神奈川県某私立男子高校生のうち、無作為に抽出した626名について、歯周疾患実態調査を行うとともに、同高校全校生徒2383名および都内某女子高校全校生徒2383名について思春期の歯周疾患に対する意識調査を行った。その結果、唾液潜血反応については、(-)の者3.5%、(±)の者57.6%、(+)の29.6%、(++)の者6.4%、(+++)の者2.9%であった。また、PL-I値は、平均0.95±0.65で、部位別にみると大臼歯部が比較的高い値を示した。 つぎに、C.P.I.T.Nを調査したところ、コード0の者3.4%、コード1の者24.3%、コード2の者49.3%、コード3の者22.7%、コード4の者0.3%で、全体の有病者率は96.6%であった。 意識調査については、歯磨き回数1日2回の者75.0%、歯磨きの時間帯は朝食後と就寝前の者が多かった。 歯周疾患の自覚についての結果は、歯肉から出血すると答えた者が、47.3%みられ、その他食片圧入79.2%、口臭16.9%、歯ぎしり13.0%、口呼吸38.6%の者がその自覚を訴えた。 以上の結果より、若年者とくに思春期にある高校生では、硬組織(齲蝕)疾患はもとより歯周疾患の罹患率も高いことが示唆された。 また、色彩計による歯肉色の測定は、機器の標準化を設定するため、健常小児3名および成人2名についてその歯肉色を検索した。これら得られたデータを本学所蔵のコンピューターに接続、処理を遂行している。現段階では、視覚的に捉えた歯肉色の再現について検討中である。 来年度は4月に、前述した対象者に対して、同様な調査を行い、成人病といわれている歯周疾患の発現が、若年者の口腔内にどのような状態で生じているのかを確認し、予防指導の方法を確立し、その発現と成因について、検索する予定である。
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