1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480468
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川田 智恵子 東京大学, 医学部(医), 助教授 (60010013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 亨 東京大学, 医学部, 助手 (80174936)
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Keywords | 中学・高校生 / 自覚症状 / 生活習慣 / 自己評価 / 家族環境認識 / 病気影響 / 心理的反応 |
Research Abstract |
(目的)若年の糖尿病患者の心理的反応に関する研究の一環として、中学・高校生の自己評価、家族環境認識、病気による影響などの心理的反応を調べ、健康状態および生活習慣との関連を検討した。 (結果)都内中学2校の生徒709名、高校2校の生徒745名の分析である。対象校の親の学歴は比較的高く、父親の職業は会社員、公務員が69%で最も高く、管理職、専門技術職の割合が高い。自覚症状でみた健康状態では、頭痛、気疲れ、だるさ、めまい、元気がない の間に相関が認められた。生活習慣項目間の関連をみると、飲酒と喫煙の間に相関があった。心理的反応をみると、自己評価には学校差、学年差、および性差があった。家族環境認識については、達成方向づけ、知的文化的方向づけ、活動的レクリエ-ション方向づけ、および組織では学校差があり、同様の項目について母親の学歴の違いにより差があった。また密着度、表現力、争い、道徳では学年差があった。病気による影響については、学年が低いほど、また男子に比べて女子が病気による影響を大きく考えていた。次に、自覚症状および生活習慣と心理的反応の関係をみると、自己評価のサブ尺度である一般自己、社会的自己、家庭-両親、学校のいずれにも、多種類の自覚症状を訴えた者と関連がある項目が含まれており、自覚症状が多い者は自己評価が低かった。生活習慣との関連も好ましい生活習慣の者は自己評価が高く、逆の場合は自己評価が低く出る傾向があった。家族環境認識も同様の傾向があり、自覚症状の多い者は家族環境を低く評価している傾向があり、生活習慣とでは、家族の密着度の高い者は朝食を食べ、家族が活動的レクリエ-ション方向づけがあると答えた者と運動をするが関係し、喫煙と飲酒は組織と管理のサブ尺度と関連があった。病気の影響については、自覚症状の多い者は病気による影響を大きく考えていた。
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[Publications] 川田智恵子: "糖尿病の自己管理-思春期小児糖尿病患者の自己管理" 日本臨床:1990年増刊号〔糖尿病〕. (1990)
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[Publications] 河口てる子,川田智恵子,吉田亨: "中学・高校生の健康状態と自己評価、家族環境病気による影響に関する研究" 学校保健研究. (1990)