1988 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学におけるコミュニケーション能力の開発に関する研究
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63480483
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
檜垣 マサ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (00095960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅沼 茂 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30184146)
伊藤 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (80184646)
高木 廣文 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (80150655)
助川 尚子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40119376)
木村 登紀子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80102656)
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Keywords | コミュニケーション能力 / 批判的思考 / 一般教育 |
Research Abstract |
本年度は、コミュニケーション論関係の資料の収集に力を注いだ。資料の収集の範囲は、コミュニケーションとは何かということを扱っているもの、言語的な能力に関するもの、思考能力、特に批判的思考力に関するもの、体系的に物事を理解する能力に関するもの、そして情意的レベルにおいて他者に対して共感する能力に関するものなどである。各研究分担者は、これらの資料の分析を通して学問探求のみならず、私たちの日常生活におけるコミュニケーション能力とは何かを追究、検討した。その結果、(1)言語的領域においては、テキストの大意をとり、その文脈を理解する力が課題である。(2)言語的能力の発達のためには言語を支える文化的背景について理解する力が必要である。(3)思考のレベルでは、与えられた知識を絶対視することなく批判的に物事を考える力が課題である。また、対話において相手の立場を考慮して自分の主張を客観的に見つめることができるか否かが課題である。(4)情意的レベルでは、自尊的感情を保ちながら、他者に対して共感できる感受性が課題となる。(5)コンピューター・リタラシーのような新しいメディアを使う能力が課題となる。研究会議においては以上のようなそれぞれの概念枠の適合性を検討してきた。また、大学の一般教育の中におけるコミュニケーション能力の開発がどのような位置づけになっているかについて、資料を収集してきた。次年度はたのような概念枠において質問紙と尺度を作成し、コミュニケーション能力の発達にどのような要因が影響を与えているのか、また、コミュニケーションについて学生たちはどこで学習する機会を与えられているのか、看護系の大学及び短大そして専門学校に向けて実態調査を実施する予定である。
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[Publications] 木村登紀子: 病院. 47. 517-520 (1988)
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[Publications] 木村登紀子: 病院. 48. 165-169 (1989)
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[Publications] 浅沼茂: 教育学研究. 55. 257-266 (1988)