1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63490003
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
酒向 史代 北海道教育大学, 教育学部札幌分校, 助教授 (50002481)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
|
Keywords | ブタストレス症候群 / ブタ赤血球膜 / 血液型糖脂質 / A型抗原 / O(H)型抗原 |
Research Abstract |
ブタ赤血球膜の中性糖脂質の組成を検討する中で、Go_5Cerよりわずかに移動度の低い微量画分(全中性糖脂質の0.6%)が得られた。この中から、イアトロビーズカラムによって2つの画分が単離され、それぞれA(20ng/0.13ml)およびO(H)(5μl/O.13ml型活性を示した。B型活性を示す画分は認められなかった。A型画分の構造を1.プロトンNMRスペクトルの測定2.α-N-アセチルガラクトサミニダーゼとα-フコシダーゼ処理によって得られた生成物について、抗Gg_4Cer抗体、抗nLc_4Cerモノクローナル抗体および抗Lc_4Cerモノクローナル抗体を用いた免疫染色法3.FABマス分析4.α-N-アセチルガラクトザミニターゼ、α-フコシダーゼ、β-ガラクトシダーゼさらにβ-ヘキソサミニダーゼによる非還元末端からの逐次加水分解5.GC/MSによるメチル化分析によって調べた。その結果、A型抗原の構造は、次のようなラクト系の糖鎖構造をもつ糖脂質であることが明かとなった。 GalNAcα1→3(Fuc α1→2)Galβ1→3GlcNAcβ1→3Ga1β1→4Glcβ1→1Cer 一方、O(H)型画分の構造を、A型画分の場合と同様に検討した結果、O(H)型画分は、A型糖脂質の非還元末端のα-GalNAcを欠く糖鎖構造であることが明かとなり、A型画分の生合成前駆体と考えられる。ブタの血液型物質は、胃ムチンにAとO(H)型物質があることは知られているが、ブタ赤血球抗原物質はこれまでに単離されたことはなかった。また、AとO(H)型血液型糖脂質は種々の組織から単離されているが、赤血球についてみると、ヒトからのみ単離されており、それらは主にネオラクト系の血液型抗原である。ラクト系に属する赤血球の血液型糖脂質は、ヒトからA型のみ単離されており、赤血球のO(H)型血液型抗原は、本研究においてブタから初めて単離された。
|
-
[Publications] Fumiyo,Sako: Int.J.Biochem. 19(10). 923-929 (1987)
-
[Publications] 酒向史代: 北海道医学雑誌. 63(4). 534-544 (1988)