1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63490011
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
赤羽 賢司 富山大学, 理学部, 教授 (00012790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海部 宣男 国立天文台, 電波天文研究系, 教授 (50011630)
大石 雅寿 富山大学, 理学部, 助手 (00183757)
松島 房和 富山大学, 理学部, 助教授 (40142236)
常川 省三 富山大学, 理学部, 助教授 (40018982)
高木 光司郎 富山大学, 理学部, 教授 (60018976)
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Keywords | 星間物質(分子) / 分子分光学 / マイクロウェーブ分光学 / レーザ分光学 / 赤外スペクトル |
Research Abstract |
1.常川、高木、松島、大石によって実験装置が整備された。主として真空装置の改良を行ない、実験室での測定の能率向上をはかった。 2.分子高励起の研究に関連して、広掃引レーザシュタルク分光による分子スペクトルの研究が行なわれ、赤外域における高分解能分光実験の見通しを立てた。フォスフィン(PH_3)の高励起(V=1→V=2)の遷移から、分子定数の決定が試みられた。又ミリ波では、メチルアミン(CH_3NH_2)、メチルメルカプタン(CH_3SH)の重水素置換体等について高励起スペクトルの遷移帰属、夫々の修正分子定数の決定等の研究が行なわれた。これらは何れも修士論文としてまとめられた。実験、理論とも精度向上を目して、研究は今後も続けられる。メチルアミンの150GHz帯(波長〜2mm)の実験のために、半導体による周波数逓倍器が研究された。野辺山宇宙電波観測所試作の基礎資料(GaAs)を用いて、多くの試行錯誤を経て、高感度逓倍回路の試作に成功した。これは今後のサブミリ波帯での分子スペクトル(高励起遷移)の研究の基本装置として重要である。メチルアミン、メチルメルカプタン、フォスフィン等の研究は、富山大学における長い研究歴に根ざしている。メチルアルコールについても、当所の研究歴に基づいて、高励起状態を目して、電波・赤外領域でのメチルアルコール分子の遷移強度の理論的研究が鋭意進められ、成果を得た。これも修士論文としてまとめられた。将来星間分子の観測結果の取り扱いに、この理論計算の結果が基本的に有用であることが期待される。メタノール分子の研究は、星間物理の研究に、殆ど直接的な手段である見通しが立っている。これに関連して、同位体CH_318OHの実験室での研究が計画され、近く着手する予定である。 3.大型電波望遠鏡によって、メチルアルコール高励起スペクトルの観測が行なわれた(大石他)。新分子CCO等の観測も行われた(大石)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Akabane,K.;et al: Publ.Astron.Soc.Japan. 40. 459-474 (1988)
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[Publications] Hashinami,S.;et al: J.Mol.Spectrosc.132. 1-5 (1988)
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[Publications] Tsunekawa,S.;et al: Journal Molecular Spectroscopy(in press). (1989)
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[Publications] Ohishi,M.;et al: Astrophys.Journal. 329. 151-155 (1988)
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[Publications] Ohishi,M.;et al: Astrophys.Journal(Letters). 335. L89-L93 (1988)
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[Publications] Kaifu,N.;et al: Astrophys.Journal(Letters). 334. L113-L116 (1988)
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[Publications] 赤羽賢司 共著: "宇宙電波天文学" 共立出版, 0-396 (1988)