1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510146
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石附 実 大阪市立大学, 文学部, 教授 (40068721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 裕俊 大阪市立大学, 文学部, 講師 (80182393)
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Keywords | 学校文化 / 教育テクノロジー / 学校保健 / 教具 / 遊具 / 学校建築 / 校地 |
Research Abstract |
1.教具を中心とする教育のテクノロジーに関する情報収集のため、今日までに刊行された学校史や府県教育史、教育文化史などの文献のほか明治期の翻訳教育書などを検討し、校舎、校具、教具などに関する情報カードの作成と整理を進めた。また、明治期の教育ジャーナリズムの記事を検索し、西洋教育情報の移入と普及に関する検討に着手した。これらの情報収集および検討は今後も継続し、本研究の基礎資料として利用する。 2.(1)全国の教育遺跡や学校、教育博物館、資料館などでの校舎、校具、教具、遊具などの保存状況を知るための手がかりとして、教育文化史料を所蔵する施設の所在について資料作成を進めた。 (2)訪問調査および事例研究としては、大阪市立愛殊幼稚園のほか、盤田市立郷土館(旧見付学校)、倉敷市歴史民俗資料館、西宮市立教育センター郷土資料室などを訪問し、保存史料の調査を行なった。 3.以上の研究・調査を通じて明らかになったことは次の通りである。 (1)明治の教育ジャーナリズムを見ると、豊かな西洋教育情報が各府県レベルに行き渡っており、中央ー地方の情報ネットワークが早くから形成されていた。 (2)教育テクノロジーの発達を特徴づける功利主義は西洋伝来というよりも日本の土壌に根ざしたものであることが西洋教育情報の検討から明らかになった。 (3)実物の代用として掛図を多用したことに見られるように、教育テクノロジーの発達には日本的特殊性が表れている。 (4)教育文化史料の保存状況を改善するため、抜本的な対策が急務である。 4.H.G.シェーン『コンピュータ時代が求める教育』を翻訳出版した。
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[Publications] 石附実: 日本英学史学会会報. 55号. 1-10 (1988)
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[Publications] 石附実: 児童心理. 43ー4. 180-187 (1989)
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[Publications] 杉井六郎先生退職記念事業会 編: "近代日本社会とキリスト教" 同朋舎出版, 691-702 (1989)
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[Publications] 石附実・鈴木正幸 編: "現代日本の教育と国際化" 福村出版, 12-36 (1988)