1990 Fiscal Year Annual Research Report
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63510222
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| Research Institution | Shiga University |
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Principal Investigator |
小笠原 好彦 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00000480)
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| Keywords | 豪族居館 / 外郭施設 / 祭祀遺構 / 倉庫群 / 掘立柱建物 / 首長 / 家形埴輪 / 対称配置 |
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| Research Abstract |
今年度は最終年にあたるので,これまで2年間の研究成果を整理し,あわせて新たな資料の追加と検討を行った。まず,研究成果の整理では、これまで見つかっている古墳時代の豪族居館遺跡をカ-ド化し,規模、外郭施設、時期、建物配置などを重視し,分類作業を行った。時期についてみると、前期には大分県小迫辻原遺跡,小部遺跡、京都府森山遺跡、静岡県大平遺跡、茨城県国生本屋敷遺跡,中期には兵庫県松野遺跡,奈良県名柄遺跡,栃木県成沢遺跡、群馬県荒砥荒子遺跡,後期は大阪府伽山遺跡,奈良県藤原宮下層遺跡,群馬県原之城遺跡などがある。さらに、各時期の特徴を項目をあげて検討を試み、あわせて東日本と西日本の豪族居館の差異を明確にするようにつとめた。
つぎに、今年度は昨年度に新たに検出された静岡県大平遺跡、古新田遺跡の図面が公表されたので,これを現地踏査による検討資料を加えて資料操作を行った。大平遺跡は複数の豪族居館が見つかっていること、竪穴住居と掘立柱建物が区分して構築されている点で、興味ぶかい。古新田遺跡は東に住居と倉庫が左右対称に配置をとり,その西に大型掘立柱建物が左右対称のコ字型配置をとり、他の遺跡にはみられない配置形態がとられている。古新田遺跡は今年2月に全体の遺構図が完成し、提供を受けたので、建物の配置、時期ごとの配置変化などを検討した。
また、古墳時代の豪族居館と密接な関連をもつ家形埴輪の新資料として、京都府庵寺山古墳の家形埴輪が公表された。これによって、家形埴輪のセット関係をほぼ知りうるものが、また1例増加することになった。同時に、家形埴輪の住居についても、形態的特徴に新たな知見を加えることができた。なお、1990年(平成2年)10月28日には、国立歴史民俗博物館で、フォ-ラム「古代豪族と居館」の報告を行ない、他の報告者と意見の交換を行ない、研究を深めることができた。
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