1989 Fiscal Year Annual Research Report
軌道電子の遷移に伴う原子核の励起現象(ニ-ト)を用いた同位体分離の理論的研究
Project/Area Number |
63540217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 正人 大阪大学, 理学部, 教授 (70028091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 透 大阪大学, 理学部, 助手 (10135650)
大坪 久夫 大阪大学, 理学部, 教授 (30029491)
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Keywords | 軌道電子による核励起 / ニ-ト / 同位体分離 / 質量分析 / ウラン235の分離法 / 電気的多重極遷移 / 磁気的多重極遷移 |
Research Abstract |
1.原子の軌道電子に蓄積されたエネルギ-は、通常X線やオ-ジェ電子として原子外へ放出されるが、特別の条件が整った場合には原子核を励起することが可能である。このことは森田によって理論的に発見されたが、実験的にも^<189>Osにおいてはじめて確認されている。そしてこの軌道電子のい遷移に伴う原子核の励起現象は森田によってニ-トと命名され、原子核の未知の極低励起状態の発見、質量差を用いない質量分析の一方法、特にウランの同位体分離への応用が試案されている。 2.原子核と電子間の電磁相互作用が1光子交換相互作用の場合に、ニ-ト理論を構築した。ここでは電磁気的遷移を同等に取扱っているので、従来の理論的研究ではまだ取扱っていなかった磁気的多重極遷移についても定式化を行うことができた。 3.磁気的2重極遷移、電気的4重遷移の具体的な公式を得た。 4.^<189>Osの場合に数値的評価を行い、磁気的遷移が電気的遷移よりも重要なことを示した。ニ-トの確率は一般に小さい。 5.上記の理論ができたので任意の核種について、ニ-ト確率を評価可能となった。 6.原子核座標に依存する核行列要素の評価については、原子核のモデルを採用することによって計算できる形になっているが、もし対応する遷移について、ガンマ崩壊の寿命が実験的に測定されている場合には、その値を用いてニ-ト確率を評価できるよう、公式を作成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 森田正人,大坪久夫,佐藤透,岡,賢治: "軌道電子の遷移に伴う原子核の励起現象(ニ-ト)を用いた同位体分離の理論的研究" 研究成果報告書. 1-18 (1990)
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[Publications] M.Doi,T.Sato,H.Ohtsubo and M.Morita: "Effect of Meson Exchange Current on Deuteron Muon Capture" Proceedings of Yamada Conference XXIII Nuclear Weak Process and Nuclear Structure. 132-133 (1989)
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[Publications] M.Doi,T.Sato,H.Ohtsubo and M.Morita: "Effect of Meson Exchange Current on Deuteron Muon Capture" Nucl.Phys.1-18 (1990)
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[Publications] M.Doi,T.Sato,H.Ohtsubo and M.Morita: "Muon Capture in Deuteron and Meson Exchange Current" Abstract,International Conference on Particles and Nuclei XII. 1 (1990)