1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540602
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
町田 昌昭 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (40000129)
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Keywords | 寄生虫相 / 深海魚 |
Research Abstract |
沖縄県名護および高知県入野にそれぞれ1回および2回出張して深海性魚類の調査を行った。名護ではオキナワヤジリザメ、ハマダイ、キビレアカレンコなど、入野ではワキヤハタ、ミドリフサアンコウ、イタチウオ、アカグツなどの新鮮魚を解剖し、実体顕微鏡下で寄生虫の採集を行い、生鮮虫体の観察ならびに単生虫・吸虫・条虫・鉤頭虫類ではAFA液による虫体の圧平固定、線虫類では熱ホルマリン液固定を実施した。固定標本は研究室に持ち帰ったのち、単生虫・吸虫・条虫・鉤頭虫類ではヘマトキシリンあるいはカルミン染色してプレパラートを作製し、線虫類ではゲーター液で虫体を透化して鏡検し、種名を固定して宿主との関係や分布などを決定する。現在吸虫類などの染色プレパラート標本を作製中のため、新たな知見や成果について論じる段階ではないが、高知県沖の延縄漁で捕獲されたヒシダイの腸内から新属新種と思われる一吸虫が得られており、また高知県沖の深海性魚類の寄生虫相は概して寒流系要素が強いように思われ、あるいは親汐潜流の影響があるのかもしれない。平成元年と2年度には北海道、日本海および駿河湾の深海性魚類について昭和63年度とほぼ同様の調査を行う予定である。また大学や水産試験場の調査船を利用しての調査も考慮している。
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