1988 Fiscal Year Annual Research Report
深海遠洋性チャートに含まれる遠洋粘土鉱物の堆積化学的研究
Project/Area Number |
63540615
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山本 聰 琉球大学, 理学部, 助手 (50124855)
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Keywords | 深海 / 遠洋粘土 / 層状チャート / フリント / 化学組成 / 原子吸光法 / ミクライト質石灰岩 |
Research Abstract |
初年度はサンプリングに重点を置き、沖縄本島や北海道において調査を行った。沖縄本島の本部帯や伊江島を中心に、各タイプのチャート層、これに互層する負岩、赤土土壌試料122サンプルを採集した。北海道では、遠洋性や深海底相と考えられるチャート層、泥質岩相を中心にサンプリングを行い、82サンプルを採集した。 これらのサンプルについて、肉眼観察に基づき岩相の記載を行い、これを細礫程度のチップにした後、ミキサーミルにより化学分析のための粉末試料を作成した。 今回サンプリングされたもののうち、岩相、産状から遠洋性と考えられるものを選び出し化学分析を行った。その内訳は、層状の赤色チャート37サンプル、これに互層する赤色粘度岩12サンプル、及びミクライト質石灰岩24サンプルと、この中にノジュールとして産出するフリント22サンプルである。これらの粉末サンプルについて、有機物量と炭酸塩量を強熱法により求め処理したサンプルを、HFとHClにより溶解し、その沈澱物を稀塩酸に溶解したものを原子吸光法で、Al、Ti、Fe、Mg、Na、K、Ca、Mn、Sr、Zn、Cu、Ni、Co、Cr、Pbの15元素について全岩濃度を求めた。また、ミクライト質石灰岩やフリントサンプルについては炭酸塩量が高いため、酢酸アンモニウムアセラートにより抽出を行い、上記の15元素について炭酸塩結合部の濃度を求めた。 この結果、遠洋性と考えられるサンプル中には、遠洋粘度鉱物が多く含まれるためFe/Mg比が一定になるという結論が得られたため、1989年5月茨城大学で開催される日本地質学会で発表する予定である。またこれに引き続き、次年度は残された遠洋性と考えられないサンプルについてこの中でのFe/Mg比のばらつきを検討することが課題として残される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Satoshi,YAMAMOTO.: Diagenesis,11 Developments in Sedimentology,43 Elsevier,Amsterdam. 115-146 (1988)
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[Publications] Satoshi,YAMAMOTO.: Galaxea,v.7,no.1. 60-75 (1988)
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[Publications] Satoshi,YAMAMOTO.: Nature.
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[Publications] Satoshi,YAMAMOTO.: Jour.Geol.Soc.Japan.
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[Publications] Satoshi,YAMAMOTO.: Sedimentology.