1988 Fiscal Year Annual Research Report
河岸段丘および火山地質からみた飛騨山脈の隆起の時期
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63540624
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤井 昭二 富山大学, 教養部 (30019236)
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Keywords | 飛騨山脈の隆起と火山活動 / "立山火山"のK-Ar年代 / 安房トンネルから発見された木材のC14年代 / アカンダナ火山の活動 |
Research Abstract |
飛騨山地の隆起と火山噴出年代との関係が考えられるため、火山噴出物の年代測定を行なう。このため地質調査所の柴田賢・松本哲一技官に年代測定を依頼した。 今回は初年度として立山、焼岳、乗鞍岳で試料採集を行なった。一度は柴田賢氏も同道した。試料は合計立山20コ、焼岳4コ、乗鞍岳10コ採集した。報告時点の年代資料4ケ所2点であった。2点はガスが多くて測定不能で、後の2点は別表のように、立山第1期の年代は133±22Ka、また第3期の玉殿窟の熔岩の年代は47±9Kaの年代を得た。今まであらゆる手段で"立山火山"の年代を知る事とに勤めた。第2期が94±8Kaという値が得られているので、"立山火山"の年代を明らかにすのことができた。 以上により、年代資料がすくないが、飛騨山地周辺の火山活動を大きく2つにわけられる。1つは白馬大地〓御岳で知られるように50万年前後であり、2つは立山、乗鞍岳にみられるように10〜20万年前になる。 現在安房トンネル工事が行われており、平湯口の第2水抜トンネル850m地点で木材が発見され、その年代が11560±190y.B.P.(NUTA733)をうることができた。この産出点は古生層から安山岩堆積物に〓いつた水の多い所で低速度帯になっている。地質断面図にはこの低速度層が上方に安山岩熔岩や火砕流とにかわっている。平湯川火砕流および平湯川高位段丘の年代が11Kaとなっている。このことは11Ka前後に白谷山あるいはアカンタニ山で何か変動のあったことを示していてる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 藤井昭二,柴田賢,松本哲一: 日本地質学会第96年学術大会講演要旨集. (1989)
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[Publications] 藤井昭二,中村俊雄: (1989)