1989 Fiscal Year Annual Research Report
河岸段丘および火山地質からみた飛騨山脈の隆起の時期
Project/Area Number |
63540624
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤井 昭二 富山大学, 教養部, 教授 (30019236)
|
Keywords | 飛騨山脈の隆起 / 松本盆地 / 河岸段丘 / アカンダナ火山 / 安房トンネル / 低速度帯 |
Research Abstract |
1.松本平の河岸段丘2.アカンダナ火山3.1990年度地質学会討論会“飛騨山脈"について述べる。 1.富山平野の河岸段丘と松本盆地の河岸段丘の比較(1)梨ノ木礫層、波田礫層、森口礫層を高位、中位、低位礫層とすると富山と本質的に変わらない。相異点は(2)松本平が小さいので扇状地全体が少ない。(3)段丘は南と西にのみ発達し、東側に発達しない。(4)段丘上にロ-ム層が発達し、年代が詳細に知られている。(5)高位段丘の分布がすくない。それは山と平野が隣り合い、その間に前山や丘陵がないので、流出するが、新しい堆積物に覆われてなくなるためであろう。このことは、高位礫層後の隆起が盛んであったことを物語るのでなかろうか。 2.アカンダナ火山の活動。アカンダナ火山は焼岳火山群の白谷火山の南にあり、安房トンネルの低速度帯の上に分布している。高水圧の低速度帯の水圧低下のための異なった水抜き墜道から二つの材の^<14>C年代11、560±190y.B.P(NUTA-733)、11、780±100y,B.P.(NUTA)が新たに得られた。このことはアカンダナ火山が1.1万年より古く6、4000年(河内ら、1988)より新しく、その間に活動したものである。小池(1978)は上地ヶ根火山泥流の年代が11、300±170y.B.P(N-1178)をえており、1.1万年前に平湯川上流に火山事変のあったことを示している。このことはアカンダ火山の活動とよみかえられよう。 3.1990年秋、富山で日本地質学会が開かれ、討論会として「飛騨山脈の隆起とその時期」が取り上げられる。第四紀地質、火山地質、地形から、隆起の経過とその時期を検討し、重力異常、地震波からアイソスタシ-、マントル溶融など隆起のメカニズムの問題を検討し、糸魚川、静岡線がプレ-トの境界あるのか、プレ-トがどのように隆起にかかわっているかを検討する。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 藤井昭二、柴田賢,松本哲一: "“立山火山の形成年代"" 日本地質学会第96年学術大会予稿集.
-
[Publications] 藤井昭二: "“立山火山"と飛騨山脈の形成とその時代" 富山県立博物館準備室.
-
[Publications] 藤井昭二、中村俊夫,沢田豊明: "安房トンネル低速度帯から産出した材の年代-アカンダナ火山の活動-" 第四紀研究.
-
[Publications] 藤井昭二: "飛騨山脈の隆起とその年代" 日本地質学会第97年学術大会予稿集討論会.