1989 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ発光分光分析法を用いた機能性複合薄膜形成過程の基礎的研究
Project/Area Number |
63550022
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Research Institution | TOYO University |
Principal Investigator |
村山 洋一 東洋大学, 工学部・電気工学科, 教授 (40057956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 秀樹 東洋大学, 工学部・電気工学科, 講師 (80058099)
小室 修二 東洋大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (90120336)
柏木 邦宏 東洋大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (30058094)
森川 滝太郎 東洋大学, 工学部・電気工学科, 教授 (80191013)
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Keywords | 発光分光分析法 / 複合膜 |
Research Abstract |
最近、薄膜作製に使用されてきた真空蒸着に変わり低温プラズマを用いた成膜法が多く使われるようになったきた。主な成膜法としては、スパッタリング、イオンプレ-ティング、プラズマCVD、プラズマ重合などが挙げられる。これらの低温プラズマを用いた各成膜法においては、プラズマ中で生成したイオン、電子などの荷電粒子や中性粒子がいろいろな物理的、化学的反応をすることによって成膜されると考えられる。しかし、その反応過程が非常に複雑であるために何が膜構造に影響を与えるか十分に解明されていないのが現状である。本研究の目的は、蒸発系を持った成膜法の一つである反応性イオンプレ-ティング法を用いて成膜を行う際に、プラズマ中の各粒子が発する励起発光を発光分光分析法によって観測し、分光分析することによって膜物性の制御、ならびにブラズマ中の反応過程の解明をすることである。実験では、N_2プラズマ中にInを蒸発させInN膜の形成を試みた。その結果、各R.F.電力においてN_2ガス圧を変化させたときのN_2の発光強度の測定と、X線回折による解析からInN成膜時においては、高いN_2ガス圧及び高いR.F.電力が必要であると考えられる。次に、InN成膜時にグリッドにバイアス電圧を印加したとき、基板に流入する電流を測定した。この基板電流を測定した目的は、N^+イオンの発光は、本方法の分光分析の測定範囲内にないため、基板内に流れ込む電流値がイオンの量と比例関係にあると考えたためである。バイアス電圧を増加させるとIn(101)面が成長した。この結果、イオン濃度の変化葉、膜の結晶性に大きな影響を持つと考えられる。また、バイアス電圧を制御することによって、N_2粒子の挙動をある程度制御できるということが判明した。一方、InN薄膜の反応過程においては、Inの励起過程よりもN_2の励起過程の方が膜物性に依存度が大きいと考えられる。よって、金属原子の励起状態よりも反応性ガス分子の動的挙動の方が化合物薄膜の形成には著しい影響を与えることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Kokai,Y.Sakamoto,K.Kashiwagi,T.Morikawa,S.Kuramochi,Y.Murayama: "Protection of Organic Materials Against Ultraviolet Rays by Ion-Plated Zinc-Oxide Layer" Japanese Journal of Applied Physics. Vol.27. L1390-L1391 (1988)