1988 Fiscal Year Annual Research Report
パルスイオンビームによる材料表面の改質に関する研究
Project/Area Number |
63550065
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鷹合 徹也 山梨大学, 工学部, 教授 (80020460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八井 浄 長岡技術科学大学, 教授 (80029454)
福島 明 山梨大学, 工学部, 助手 (90181255)
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Keywords | 大強度パルスイオンビーム発生装置 / 金属チタン表面 / B、Nイオン注入 / X線解析 / ESCA / 熱的残留応力 / 格子定数 |
Research Abstract |
本研究はMeV級の高エネルギーのパルスイオンとビームを用い、各種工業材料、特に金属チタンの表面にB、NあるいはCa、Pイオン等を注入し、その材料表面の改質、向上を計ることを目的としたもので長岡技術科学大学の関係教官と共同で、また山梨大学工学部応用化学科の関係教官の協力の元で実施を進めているものである。 イオン源は、アノードに貼り付けた厚さ約1mmのBN焼成板あるいはアパタイト焼成板で、ダイオード電流、電圧をそれぞれ10-36kA、540-740keVの条件に調整し、純金属チタン板をターゲットとしイオン注入による表面照射効果について、金属チタン表面の光顕、電顕による微視的観察、表面粗さ計による3次元的変化、硬さの測定の他、X線解析による照射表面の結晶構造解析、格子定数、残留応力の測定、ESCAによる元素分析その他多面的、総括的に実験的検討を行った。その結果4回以下の照射では照射回数の効果は顕著ではないが照射による表層部の局所的溶融の痕跡が微視的に明らかに認められ、粗さ計による3次元的測定からも間接的に確認された。特にX線解析では表面の局所的溶融、蒸発等の熱的衝撃に伴う熱応力の発生を示唆する結果が得られた。また70回照射の場合にはTiB2の回析ピークと考えられる新しいピークの存在を認めた。ESCAによる検討では、イオンエッチングしない試料の照射表層部でのみB、Nのスペクトルを認めた。しかしイオンエッチングの深さの増大と共に(約0.1μm以上で)B、Nのスペクトルは消失し、B、Nイオン注入に付いての確実な把握に至っていないが、更に実験的研究を進めるための基礎的資料が得られた。なお深さの増大に伴うB、Nすぺくとるの消失に付いては、金属チタンの照射表面の溶融、蒸発による影響も考えられる為更に検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 本多,鷹合,八井 他: 第48回応用物理学会学術講演会講演概要. (1988)
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[Publications] Yatsu,Masukata,Takaai,et.al: Proceeding of 7th Inernational Conference on High-Power Paticle Beams. (1988)
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[Publications] 八井,鷹合,升方 他: 日本学術振興会電粒子ビームの工業への応用第132委員会 第104回研究会資料. (1988)
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[Publications] 本多,鷹合,八井 他: 第49回応用物理学会学術講演会講演概要. (1988)
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[Publications] Yatsui,masukata,Takaai,et.al: 第20回 (1989年) シンポジウム [イオン注入とサブミクロン加工]. (1989)
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[Publications] 鈴木,初鹿,鷹合,八井 他: 電気化学協会第56回大会講演概要. (1989)