1988 Fiscal Year Annual Research Report
分子線エピタキシャル法によるP型ZnSの作成とその発光素子への応用
Project/Area Number |
63550230
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
金田 重男 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00029406)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上林 利生 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20111669)
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (50011119)
|
Keywords | 分子線エピタシヤル法 / II-VI族化合物半導体(ZnS) / 青色発光素子 |
Research Abstract |
本研究の目的は分子線エピタキシヤル(MBE)法によりP型ZnSを作成し、最終的には青色発光素子を実現することであるが、初年度はP型導伝性結晶の作成として母体ZnSの結晶性を損うことなく不純物を導入し得る方法を確立することに専念した。すなわち(1)母体ZnS用および不純物Na用の分子線源の供給法の確立。 (2)基板に用いるGaAs結晶方位がエピタキシヤル層の結晶性に及ぼす影響の解明の二点に絞り研究をおこなった。 (1)に関しては分子線源用の原料選定ならびに供給分子種の最適化が最も重要な問題と考え本研究費で購入した半導体製造装置用ガス分析計により分子線供給法における主要パラメータ(分子線源セル温度、分子線の熱解離温度、供給分子線強度)により分子種がどのように変化するかを実験的に確かめ、最適成長法の確立のための研究をおこなった。これらの結果不純物用原料としてNa_2Sを用いる場合、母体結晶用原料としてZnSの組合せをとり適当な供給条件を用いるのが有効であることを見出した。多くの成長実験をおこなった結果Naが確実に結晶内に導入しうる条件を見出したが、作成された結晶はなおかなり高抵抗であり成長条件の最適化に対してなお研究する必要があることが判った。 (2)に関して結晶表面の極性が不純物導入に対し大きく影響を及ぼしているであろうとの考えより、無極性の(110)面を用いるのが良いだろうと考え実施したもので、その有効性を示す実験結果が二三得られたが、現時点ではなお再現性に乏しい。これは一般的な(100)、(111)面に較べ初期トリートメントの確立に問題があるようで次年度は反射電子回折によるin situ観測を実施1トリートメント法を確立する予定である。 以上が本年度の経過であり、次年度もなお1ばらくP型結晶の作成法の確立のための研究を継続し、その後実用デバイスの基礎となるp-n接合素子の研究に移る予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 鹿野文久,伏見浩,蒲原敦彦,横山明聡,金田重男: 日本学術振興会,薄膜第131研究会,第141回研究会論文集. 54-59 (1988)
-
[Publications] Shigeo,Kaneda et al: Journal of Applied Physics. 64. 3945-3948 (1988)
-
[Publications] Shin-ichi,Motoyama;Shigeo,Kaneda: Appleid Physics Letter. 54. 242-243 (1989)
-
[Publications] 伏見浩,蒲原敦彦,本山慎一,牧野英一,平松信治,金田重男: 第49回応用物理学会学術講演会講演予稿集第1分冊. 285 (1988)