1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550243
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永井 信夫 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (80001692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正清 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (60192621)
三木 信弘 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30002314)
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Keywords | 複素分布定数回路 / 複素係数ディジタルフィルタ / 虚数抵抗 / 複素反射係数 / 音源方向推定 / 最大尤度法 / 最小2乗法 / 補間問題 |
Research Abstract |
1.ディジタル信号処理において注目されているものの一つに複素係数ディジタルフィルタがあり、複素係数により周波数シフトができ、低域通過フィルタを正周波数の帯域通過フィルタに変換できる。また、アナログ回線特に集中定数回路を複素係数回路にするには虚数抵抗を用いればよいことも知られている。本研究の特長は、分布定数回路というアナログ回路に虚数抵抗を付け加え、それを複素係数ディジタルフィルタに変換することにある。その変換は入反射波のシグナルフロ-を表わすディジタルアダプタ-で行なわれるので、虚数抵抗を含む回路の反射係数の定め方が問題となり、それを文献(1)〜(4)で解決している。文献(5)、(6)において、複素係数回路では、非対称な周波数特性を得ることができ、その非対称性を強くすれば、遮断周波数特性を急峻にするものを2次あるいは3次という低い次数の回路で得ることができることを示している。 2.音源方向推定はビ-ムフォ-ミング法、MUSICあるいは最大尤度法で行なわれる。最大尤度法は他に比べて高分解能であるが、複雑な処理を必要とするため、余り研究がされていなかった。文献(7)〜(11)において、センサの配列に着目し、直線状でしかも等間隔にセンサを配置するならば、複雑な非線形処理を回避することができ、多項式の根を求める問題に置き換えることができることが示され、極めて少ない計算量で最大尤度法と同じ推定精度を出すことのできるアルゴリズムを提案している。 3.ARMA過程の伝達関数の係数推定は、線形予測法やシステム同定などのシステム理論で行なわれるが、文献(12)〜(15)では係数推定を回路網理論を基にすることを考え、周波数重み付き最小2乗法で行うことにより、有用な補間的性質などが求まることを示している。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 永井信夫: "古典的回路網理論のディジタル信号処理への応用" 電子情報通信学会・回路とシステム研究会. CAS88-136. 95-102 (1989)
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[Publications] N.Nagai: "A consideration on complex reflection coefficients" International Symposium on the Mathematical Theory of Networks and Systems. MTNS-89. (1989)
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[Publications] N.Nagai: "A consideration on complex wave digital filter--Complex scattering matrix for transmission line circuit--" 1989 Joint Technical Conference on Circuits/Systems,Computers and Communications. JTC-CSCC'89. 414-419 (1989)
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[Publications] N.Nagai: "A note on complex reflection coefficients" International Conference on Circuits and Systems china,1989. ICCAS-89. 725-728 (1989)
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[Publications] 高橋輝,永井信夫,三木信弘,鈴木正清: "複素分布定数回路に基づく非対称特性のディジタルフィルタ" 第4回ディジタル信号処理シンポジウム. 85-89 (1989)
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[Publications] 高橋輝、永井信夫,三木信弘,鈴木正清: "複素ポ-トインピ-ダンスの梯子形ウェ-ブディジタルフィルタ" 電子情報通信学会・回路とシステム研究会. (1990)
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[Publications] 渡辺秀行,鈴木正清,永井信夫,三木信弘: "最大ゆう度音源方位推定における非線形最大化の一回避手法" 電子情報通信学会論文誌. J72-A. 1303-1308 (1989)
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[Publications] 渡辺秀行,鈴木正清,永井信夫,三木信弘: "最大尤度法に基づくコヒ-レント信号の音源方位の一推定手法" 電子情報通信学会・ディジタル信号処理研究会. DSP89-3. 17-22 (1989)
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[Publications] H.Watanabe,M.Suzuki,N.Nagai and N.Miki: "Maximum likelihood bearing estimation with a polynomial approach" 1989 Joint Technical Conference on Circuits/Systems,Computers and Communications. JTC-CSCC'89. 377-382 (1989)
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[Publications] H.Watanabe,M.Suzuki,N.Nagai and N.Miki: "A bearig estimation procedure based on maximum likelihood method for reducing a calculation cost" 電子情報通信学会・応用音響研究会. EA89-40. 21-26 (1989)
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[Publications] 渡辺秀行,鈴木正清,永井信夫,三木信弘: "最大尤度コヒ-レント音源方位推定のための計算法の検討" 第4回ディジタル信号処理シンポジウム. 357-362 (1989)
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[Publications] 鈴木正清,永井信夫: "ウェ-ブディジタルフィルタとそのディジタル信号処理への応用" システム/制御/情報. 33. 75-82 (1989)
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[Publications] M.Suzuki,N.Miki,N.Nagai.: "A frequency-weighted least square approximation of transfer functions based on circuit theory" The 6-th International Symposium on Networks,Systems and Signal Processing. ISYNT'89. 182-185 (1989)
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[Publications] M.Suzuki,N.Nagai,N.Miki,: "On stobility and digital filter realization of approximate tunctions under frequency weighted least squares criteria based on circuit theory" International Conference on Circuits and Systems China,1989. ICCAS-89. 387-390 (1989)
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[Publications] 鈴木正清,永井信夫,三木信弘: "重み付き最小二乗法の安定性と補間的性質" 第4回ディジタル信号処理シンポジウム. 255-260 (1989)