1988 Fiscal Year Annual Research Report
多数の物体の配列と等価誘電率の関係解明-探査法開発への応用-
Project/Area Number |
63550256
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立居場 光生 九州大学, 工学部, 助教授 (40037924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 邦明 九州大学, 工学部, 助教授 (30150501)
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Keywords | 多物体 / 不規則配列 / 等価誘電率 / コヒーレンス損失 / 多重散乱 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、多数の物体から成る媒質の等価誘電率の解析法を確立することである。このため、次の具体的課題に取組んだ。1.多数の物体の周期的配列からランダム配列までを含む一般的配列時におけるコヒーレント散乱波の定式化、2.配列の具合による散乱波表示の分類、3.ランダム配列の成立条件、4.ランダム配列時のコヒーレント波に対する等価誘電率、5.ランダム配列に規則性が加わった場合の等価誘電率に対する理論解析法及び数値解析法の確立。 課題1と2は我々独自の理論を用いて達成された。課題3は、1と2の結果を基に数値解析を行うことにより、誘電体円柱と球から成る媒質に対して具体的に解決された。他の物体に対する条件式が一般的に与えられた。課題4においては、誘電体円柱がランダムに配置された媒質の等価誘電率が、数値解析により定量的に明らかにされた。誘電体球からなる媒質に対しては現在数値解析中である。この3、4の課題の結果から、従来の結果が一部修正され、その適用範囲が明確になった。ランダム配列の仮定(本研究でその成立条件が明確となる)の下に等価誘電率の解析法が提案されてきたが、課題5は先の課題1と2の結果を用いて解決される。誘電体円柱及び球のランダム配列に極くわずかの規則性が加わった場合、その状態の成立条件の定式化と等価誘電率の計算式の導出に成功した。今後、数値解析を精力的に行うことにより、等価誘電率と物体配列の関係を一層明らかにしていく予定である。 以上のように、本年度の研究課題は一部の数値解析を残してはいるものの、ほぼ予定通り達成された。来年度も研究を継続することにより、当初の目標は充分達せられよう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 立居場光生: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-88-128. 69-76 (1988)
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[Publications] 立居場光生,塩崎真治: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-88-129. 77-86 (1988)
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[Publications] 立居場光生,塩崎真治: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-89-26. (1989)
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[Publications] Mitsuo Tateiba.: Procedings of the 1989 URSI International Symposium on Electromagnetic Theory. (1989)