1988 Fiscal Year Annual Research Report
免震および制震構造物における地震入力エネルギー分担率の最適化
Project/Area Number |
63550336
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊津野 和行 京都大学, 工学部, 助手 (90168328)
杉戸 真太 京都大学, 工学部, 助手 (60115863)
山田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025856)
|
Keywords | 免震構造物 / 制震構造物 / 地震エネルギー / スペクトル / 分担率 / アクティブコントロール / エネルギー消費 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地震動によるエネルギーが構造物の運動エネルギーや部材のひずみエネルギーとして入力され、粘性や履歴特性によって吸収されて行く、エネルギー分担の過程を明らかにし、この概念を用いて免震や制震機構の最適化を計り、実用化への基礎資料を提供しようとするものである。今年度の研究により得られた主な研究成果は、次のとおりである。 1.単位質量を有する線形1自由度振動系への地震入力エネルギーを、従来の各種の応答スペクトルと同様に、固有周期と減衰定数をパラメーターとして図示し、これを地震入力エネルギースペクトルとして新しく提案した。さらにこのスペクトルと、モード解析手法とを組み合せて、多自由度構造物への地震入力エネルギーを算出する新手法を開発した。 2.非線形な履歴復元力特性を有する免震構造物および制震構造物への地震入力エネルギーおよびその分担率を、数値シミュレーションにより検討した結果、免震構造物では、基礎面での変形量は大きくなるが入力エネルギーそのものを大幅に低減できること、制震構造物では、入力エネルギーはほとんど変らないが、構造物本体の分担率を低減できること、などが判明した。 3.不規則な地震入力を受ける構造物に対して有効なアクティブコントロールの基礎的な制御則を導いた。この時、入力の不確定性、卓越振動数などの周波数特性、エネルギー最少化の制御規範などを考慮した。さらに、開ループおよび閉ループの制御則の比較を行った。数値計算結果より、従来よりのフィードバック則に加えて、入力情報に基づいたフィードフォワード則の利用が極めて有効であることが判った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 家村浩和 他: Proc.of 9th World Conference on Earthquake Engineering. (1989)
-
[Publications] 家村浩和 他: 5th International Conference on Structural Safety and Reliability(ICOSSAR'89). (1989)
-
[Publications] 家村浩和 他: 5th International Conference on Structural Safety and Reliability(ICOSSAR'89). (1989)
-
[Publications] 家村浩和 他: Proc.of 9th World Conference on Earthquake Engineering. (1989)
-
[Publications] 伊津野和行 他: Natural Disaster Science. 9ー2. (1988)
-
[Publications] 杉戸真太 他: Proc.of 9th World Conference on Earthquake Engineering. (1989)