1988 Fiscal Year Annual Research Report
構造基本断面の空力特性に及ぼす気流変動効果に関する研究
Project/Area Number |
63550337
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 勝 京都大学, 工学部, 助教授 (00026270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷池 義人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00111980)
チャールズ ナイスリー 京都大学, 工学部, 講師 (40197629)
白土 博通 京都大学, 工学部, 助手 (70150323)
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Keywords | 構造物の空力特性 / 乱流効果 / 周期変動気流 / 剥離せん断層 / 周波数特性 / ねじれフラッタ / 風洞実験 |
Research Abstract |
構造物の空力特性は気流の変動により大きく変化することが知られている。しかしながら、現実には、自然風の乱れをシミュレートすることが困難なため、一般に安全側と考えられる一様流中での検討がしばしば用いられる。この一様流と乱流により生じる差異を明らかにすることは、より合理的な耐風安全性の評価を行うにあたり不可欠であると考えられる。 本研究では、各種の辺長比を有するH型断面を対象に選び、静的空気力あるいは空力振動現象の一つであるねじれフラッターに及ぼす乱流効果について検討を加えた。一様流及び格子乱流を用いた実験の他、乱流の有する周波数特性に特に着目し、2次元周期変動気流(正弦波脈流)中でも実験を行い、各々の空力特性を対比した。 さらに、油膜法による流れの可視化実験を実施し、さきに得られた空力特性を流れのパターンの変化と対応させた。 これより、H型断面に作用する静的空力モーメントに対しては、乱流による連行作用の促進効果がみられ、脈動周波数による差異と対応付けがなされた。また、ねじれフラッター現象については、流れのパターンが剥離型から再付着型へと移行する断面辺長比(B/D=5.5)を境に周波数効果が大きく異なることが明らかになった。辺長比がこれより小さなH型断面は、準定常性が強い断面であり、高周波数成分の乱れが大きな影響を与える。これに対し、辺長比が大きな場合には、非定常性が強くなり、剥離せん断層の不安定性増幅周波数域の乱れが高周波の乱れにもまして大きな影響力を示すことが明らかとなった。 以上の研究成果は、H型断面に及ぼす乱流効果について周波数特性の重要性を示すものであり、自然風中の乱れの影響を把握するために一助をなすものと考えられる。
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