1989 Fiscal Year Annual Research Report
鋼とコンクリ-トからなる合成構造物の弾塑性挙動に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63550341
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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Keywords | 合成構造 / 合成柱 / ねじりモ-メント |
Research Abstract |
角形鋼管柱の中にコンクリ-トを充てんした供試体、角形鋼管柱のみの供試体、およびコンクリ-ト柱供試体にねじり荷重を与える耐荷力実験を行い、以下のことが明らかになった。 (1)合成柱供試体の終局ねじりモ-メントTuscは、鋼製柱供試体とコンクリ-ト柱供試体との終局ねじりモ-メントの和である累加ねじりモ-メントの17〜23%となった。すなわち、かなりの合成効果が期待できることがわかった。 (2)終局ねじりモ-メントTuscは、充てんコンクリ-トの終局せん断応力にコンクリ-トの圧縮強度の1/2を用いて、塑性理論により求めた充てんコンクリ-ト断面の全塑性ねじりモ-メントと鋼断面の全塑性ねじりモ-メントとの和で精度よく推定することができる。 (3)作用ねじりモ-メントTが0.7Tusc以下の領域におけるねじり剛度は、弾性理論により求まる鋼断面とコンクリ-ト断面との累加剛度により精度よく推定することができる。 (4)T=Tuscとなるときの終局ねじり角は、鋼とコンクリ-トとのヤング係数比nとして12を用いた弾性解析によって精度よく求めることができる。 (5)合成柱供試体は、終局状態に達した後、ねじり変形が増加してもほとんどねじり耐荷力は低下せず、非常に大きな変形性能を有していることがわかった。 (6)合成柱供試体において、鋼板とコンクリ-トとの境界面における付着強度は、ねじり剛度および終局ねじりモ-メントにほとんど影響しないことがわかった。
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[Publications] 北田俊行・中井博・才村幸生・吉田康樹: "突起付鋼板とコンクリ-トとの境界面の付着挙動および付着強度に関する実験的研究" 合成構造の活用に関するシンポジウム講演論文集. 2. 183-188 (1989)
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[Publications] 北田俊行・中井博・才村幸生・吉田康樹: "突起付鋼板を用いた合成角形短柱の耐荷力に関する実験研究" 合成構造の活用に関するシンポジウム講演論文集. 2. 189-194 (1989)
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[Publications] 北田俊行・中井博・才村幸生・神崎昭雅: "コンクリ-トを充てんした鋼製箱形断面部材の終局ねじりモ-メントに関する実験的研究" 構造工学論文集. 37A. (1991)