1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550379
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
尾島 勝 福山大学, 工学部, 教授 (10035628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 真三郎 福山大学, 工学部, 助教授 (90031145)
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Keywords | 自由地下水 / 塩水化 / 河口堰貯留水 / 水質汚濁 / 現地観測 / モデル実験 |
Research Abstract |
地下水の塩水化防止に関する研究として、1)吉野川下流域(徳島市)の観測資料に基づく塩分挙動の水理解析と2)砂層モデル実験による塩分侵入阻止効果の解析を行った。それらの研究内容及び成果を簡潔にまとめれば次のようになる。 i)対象域内の地下水位観測データのスペクトル解析を行い、自己相関係数、パワースペクトル値などの比較考察により、長周期変動ならびに短周期変動特性を明らかにした。 ii)TysonーWeberの水収支式に基づき約50Km^2の対象域の地下水水収支を明らかにした。このとき地盤構造を多層モデルとした準3次元の解析を行い鉛直方向移動量を算出した。またFEM解析によって流況の再現計算を行うと伴に塩分挙動のシミュレーションも行った。当該地区の分散係数値は0.01〜0.04m^2/dayの範囲であると推定した。 iii)砂層モデル実験からは、揚水条件の相違に基づき塩分侵入過程の非定常特性を塩分濃度フラックス値で評価した。一次元移流分散係数値としては10^<-3>〜10^<-4>cm^2/secの範囲となった。 河口堰貯留水の水質汚濁防止に関する研究としては、芦田川河口堰上流部河道を対象として、過去の水質調査資料に基づきその汚濁負荷量と流量との関係を経年的、統計的に解析した。その結果は次のようである。 i)BOD、COD値は過去13年間年々悪化する傾向が認められる。 ii)単位流量当りの汚濁負荷量と流量との関係は双曲関数となることがわかった。したがって汚濁負荷量は流量の2乗に逆比例する。 iii)水質劣化防止策の一つの試みとして低水路掘削による水質変動の推定を河口堰より約10km上流の河道区間で行った。この工法により水質浄化が可能であることが示された。
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