1988 Fiscal Year Annual Research Report
MRT導入前後における交通需要構造及び土地利用変化に関する実証的研究
Project/Area Number |
63550383
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須田 熈 東北大学, 工学部, 教授 (50133054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 幸之 東北大学, 工学部, 助手 (40180137)
湯沢 昭 東北大学, 工学部, 助手 (20005557)
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Keywords | 地下鉄 / 土地利用 / 交通計画 / 仙台市 |
Research Abstract |
本研究の目的は、昭和62年7月に開業した仙台市地下鉄南北線によりその沿線の交通需要構造及び土地利用の変化を実証的に調査研究し、それによる効果と問題点を明らかにすることである。具体的調査項目としては当研究室で開業前(昭和62年6月)と行った交通実態調査の結果を基に、開業1年を経過した昭和63年7月に同様の調査を実施した。仙台市の当初計画では1日当たり22万人の需要を見込んでいたが、1年を経過した時点での需要は12〜14万人程度と大巾な減少となっている。この点に関する理由として調査の結果より言えることは、自家用車利用者の地下鉄への変換は、地下鉄周辺の徒歩圏でかつ目的地が都心部の場合は若干見られたものの、全体としては数パーセントの値となっている。また必ずしもバスネットワークが地下鉄利用に好ましい形態ではないため、バスと地下鉄が競合する結果となったのも一因である。その他の理由としては、当初の地下鉄需要予測、特に交通機関分担モデルの過大評価と沿線の土地利用が必ずしも計画どおりに進捗していないことも原因となっている。 土地利用に関する調査としては、地下鉄沿線の商業、住宅の床面積の変化と地価の変化についての調査を行った。床面積の変化として特に顕著なのは、地下鉄の南北ターミナル周辺の土地利用が急激に増加しており、地価に関しても同様である。また長町周辺ではマンションの建設も目立ち、地下鉄による都市中心部の拡大も見られる。しかし、全体的にみると前述したように土地利用の変化は今後の問題でもあり、地下鉄の需要が見込まれるような積極的な計画が必要である。現在、開業後1年半を経過しており、地下鉄は確実に仙台市民の生活パターンを変化させつつある。需要の問題は残るとしても、地下鉄による影響は今後共調査研究していく必要がある。
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