1988 Fiscal Year Annual Research Report
地域福祉の展開における高齢者の居住・福祉関連施設の整備方策に関する研究
Project/Area Number |
63550434
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 實 東北大学, 工学部, 助教授 (10005366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野田 泰明 東北大学, 工学部, 助手 (00185654)
湯田 善郎 東北大学, 工学部, 助手 (10166861)
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Keywords | 居住 / 福祉施設整備方策 / 痴呆性老人 / 在宅サービスと施設サービス |
Research Abstract |
本研究は、居宅処遇の原則の下に展開されることからの高齢者福祉において、居住・福祉関連施設の整備方策を探ることを目的としている。名古屋市や神戸市などの在宅サービスが先行的に供給されている地域を対象にヒアリング調査を行ったが、いずれの地域においても在宅サービスは未だ試行段階に止まり、在宅サービスの十分な展開の下での施設整備のあり方を実証的に明らかにできる研究プログラムの遂行は困難な状況にあるものと判断した。そこで在宅サービスが十分整備された将来の状態を仮想して、高齢者がどのサービスに該当するかを把握し、現在の該当サービスとの対応を考察することにより、上記研究目的を達成しようとして、今日、社会問題となっている痴呆症高齢者についての下記の調査計画を仙台市において企画した。3次に亘る調査は現在実施の途中であるが、1次調査の結果の概要を報告する。 (1)調査方法 1次調査;65歳以上の高齢者の20分の1を無作為抽出(対象者数3,692人)し、民生委員による訪問面接アンケート調査。2次調査;1次調査の項目から、痴呆性老人の疑いのある者を抽出(389人)し、保健婦による訪問面接アンケート調査。3付調査;これらの調査票から精神科医グループ(6名)が痴呆性の有無と程度を判定し、判定困難な若干の高齢者については医師が直接面接する調査。(2)1次調査の結果の概要(1)仙台市全体にみる年齢構成では、75歳以上の後期高齢者が38.7%であるのに対し、痴呆性の疑いのある者については80.2%と際立って高い。(2)同様に述べると、寝たきりは3.1%であるのに対して10.8%、虚弱が9.8%に対して33.1%である。(3)子供世帯との同居は、52.9%に対して81.4%と非常に高い。これらから、寝たきり老人と同様に、(疑)痴呆性老人の場合も、介護の必要が高く、家族の介護に対する負担の重さが推測された。
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