1989 Fiscal Year Annual Research Report
固液反応界面における界面形状および溶質分布に及ぼす振動の影響
Project/Area Number |
63550499
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80107375)
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Keywords | 固液界面 / 溶融金属 / 基盤 / 溶質分布 / 振動 / 溶解過程 |
Research Abstract |
液相金属と固相金属が接する固液界面の形状および界面近傍の溶質分布に及ぼす、固相基盤の溶質分布および基盤振動の影響について明らかにすることを目的として、以下の実験を行った。すなわち、 1.溶融したAlとAl-4wt%Cu合金基盤、純Al基盤を用い、固液界面反応に及ぼす基盤中の溶質分布の影響について調べた。その結果、以下の諸点が明らかとなった。(1)基盤中の溶質偏析の有無によって凝固組織の基盤組織からの継続性が異なる。(2)基盤溶解時の加熱に伴い、均質化処理した基盤中に組成的加熱現象を生じる。また、組成的加熱を解消する過程で、凝固組織と類似の溶質偏析を形成する。 2.溶融Al中に鉄基基盤(純鉄、SK5)及びCu基盤を浸漬し、基盤の溶解過程及び界面反応生成相の形成過程を調べた。その結果、以下の諸点が明らかとなった。(1)鉄基基盤では基盤の溶解・反応生成相の形成は溶解界面全面にわたってほぼ均一に進行してゆき、特に反応生成相の厚さは浸漬時間の増加に従って単調に増加してゆく。(2)Cu基盤では場所によって溶解及び反応生成相の形成に大きな差を生じる。また、場所による溶解深さ・生成相厚さのばらつきは、表面粗さや酸化層などの表面状態によって多少の影響を受けるが、これらがばらつきの主要因ではない。 3.固液界面反応に及ぼす振動の影響を調べるため、溶融Al中にCu基盤を浸漬し、基盤を振動させながら溶解実験を行った。その結果、以下の諸点が明らかとなった。(1)振動数の増加に従って基盤の溶解は促進されるが、振動数がある程度以上でなければ溶解は大きく加速されない。(2)反応生成相の厚さは振動数の増加によって減少する。同時に、場所による厚さのばらつきも振動数の増加に従って低下する。
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