1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550517
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
越後谷 淳一 東北大学, 工学部, 助教授 (00005539)
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Keywords | ジルコニア / 接合 / 電極材料 / 電気伝導性酸化物 |
Research Abstract |
ジルコニア燃料電池用セラミックス電極を開発するための指針を得る目的で、La系ペロブスカイトに注目しそれ自体の電気抵抗、熱膨張係数を調べると同時に、立方晶ジルコニアとの接合を行いその界面組織を観察した。室温で電気伝導度が高いLaCoO_3をもとにCoをNiで置換していった場合について調べた。またNiで置換したときの中間反応相の生成とその性質についても調べた。La(Co_<1-X>Nix)O_3はLa_2O_3,Co,Ni粉末を原料とし、x=0.2,0.4,0.6,0.8,1について混合圧粉ののち1300℃,24h焼結して試料とした。以下の結果が得られた。1.La(Co_<1-X>Nix)O_3の結晶構造はX=0から0.4まで菱面体晶、X=0.6〜0.8で斜方晶、x=1ではLa_2NiO_4+NiOの2相となった。またいずれもペロブスカイト型であることがわかった。2.熱膨張係数は10ml%Y_2O_3-ZrO_2の10×10^<-6>K^<-1>に対して、LaCoO_3のα=22×10^<-6>K^<-1>からXの増加とともに減少し、X=0.8で14×10^<-6>K^<-1>となった。3.室温での電気抵抗はX=0.4で最小となり、その両側で増加していた。1000℃での電気抵抗の値も室温の傾向と同様であり、X=0.4の電気抵抗は10^<-1>Ωcmのオーダーであった。4.LaCoO_3と立方晶ZrO_2との接合により中間反応相としてLa_2Zr_2O_7が生成した。X=0.4,0.8ではLa_2Zr(Co_<0.4>N_<L0.6>)O_6が生成した。これはLa_2Zr_2O_7の1つのZrサイトにCoとNiが置換した構造となっている。5.この中間反応相の結晶構造、熱膨張係数、電気抵抗を測定した。La_2Zr_2O_7は立方晶でα=10×10^<-6>K^<-1>であったが1000℃での電気抵抗は4×10^5Ωcmと非常に高かった。ところがそれにNi,Coが置換したLa_2Zr(Co_<0.4>Ni_<0.6>)O_6では斜方晶となり、また熱膨張係数α=13×10^<-6>K^<-1>とLa(Co_<1-x>Nix)O_3と立方晶ZrO_2との中間の値となった。また電気抵抗は70ΩcmでLa_2Zr_2O_7の場合より10^4のオーダー小さくなった。6.中間反応相の厚さは立方晶ZrO_2とLa(Co_<1-x>Nix)O_3との熱膨張係数の差が小さいほど薄いことがわかった。
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