1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550584
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Research Institution | Technical College of the University of Tokushima |
Principal Investigator |
池田 早苗 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (20035801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 弘 徳島大学, 工学部生物工学科, 助手 (10124801)
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Keywords | 四チオン酸塩 / 電流滴定 / イオンクロマトグラフィ- / チオ-ル化合物 |
Research Abstract |
前年度検討したグルコン酸溶離液では反応で生成するチオ硫酸イオンの定量に長時間を要し、また検出限界が高く低濃度までの分析が不可能であった。そこでこれらの欠点を解消する目的で、システイン、ペニシラミン、アミノエタンチオ-ル及びチオ-ル基を2個もつジチオスレイト-ルを選び、これらと四チオン酸カリウムとの酸化還元反応を利用し、低濃度までチオ硫酸イオンが定量できるリン酸二水素ナトリウム-リン酸水素二ナトリウム溶離液で、UV検出器を用いたイオンクロマトグラフィ-により短時間に定量する方法を確立した。 1.上記化合物をリン酸水素二ナトリウム-リン酸二水素ナトリウム溶離液を用いたイオンクロマトグラフィ-により、分析時間16分程度で2〜4×10^<-6>mol/l程度の低濃度まで分析が可能になった。 2.不安定なチオ-ル化合物の標準液より作成した検量線を用いることなく、安定なチオ硫酸イオン標準液の検量線より定量でき、分析操作が簡素化された。 3.本法の溶離液を用いた場合には、常に共存するアミノ酸やジスルフィド化合物は溶出時間が非常に短く、ほとんど影響なく定量できることが明らかになった。 4.多数のタンパク質には応用できなかったが、四チオン酸イオンとの応用を用いてオボアルブミン中のチオ-ル基を定量する方法について検討している。 以上の成果は四チオン酸塩のチオ-ル化合物の分析用試薬としての有用性を高め、高分子チオ-ル化合物すなわちタンパク質中のチオ-ル基の定量に応用できる可能性があることから、本法は有益な分析法として広く利用できるものと考えられる。
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