1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63550729
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
御牧 義 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60017358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 中二 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30017420)
田辺 正実 熊本電波工業高等専門学校, 助教授 (20017429)
佐藤 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00017279)
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Keywords | 雑音 / レーリ過程 / 初通過時間 / 正規過程 |
Research Abstract |
雑音の統計的性質についての研究は、雑音が一定レベルを切る点の数の揺らぎ、点間の時間間隔の分布などを調べるレベルクロス問題、一定レベルから出発して障壁に到着するまでの時間分布等のいわゆる初通過問題などがあるが、いづれも多数のデータを採取しなければならない。この為、まず安定でよい雑音を作る必要がある。この研究では雑音発生の研究と、これを用いてレーリー過程の初通過時間の分布を求める仕事を行った。 1.雑音の発生 シフトレジスタにより発生させた二進系列は、疑似雑音としてよく使われるが、一般に高次の相関が存在し正規雑音としては分布が非対称となったり、尖り様が不適当になったりする。 2.種類の二進系列について、1000ステップのランダムウォークをさせて確率変数とし、これを一回に付き100万回繰り返し、更に全体を数十回繰り返してデータを取って調べた。この結果、87段のフィードバック段数の多いシフトレジスタから作った雑音の性質が満足できるものであることがわかった。 2.レーリー過程の初通過問題 レーリー分布は狭帯域の正規過程の振幅が有する分布として知られている。また、電波のフェージングがこの分布になるので、受信波のレベルが変動して、再び元に戻るまでの時間が問題となる、この時間を雑音理論では初通過時間という、すなわち、ランダム過程が第一のレベルを切ってから、第2のレベルを切るまでの時間を調べる。この研究では、二つの独立な正規過程からレーリー過程を生成し、これの初通過時間を実験的に調べた。レベルを切る向きや、二つのレベルの位置などで、初通過時間の平均、分散、分布などが種々な変化をすることがわかった。今後は、実験結果を説明するモデルを構築し、分布密度の近似解を求めたい。
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Research Products
(1 results)