1988 Fiscal Year Annual Research Report
球根切花栽培における新作型の開発ーチューリップ、スイセン、ユリ類の抑制栽培
Project/Area Number |
63560036
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今西 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20081549)
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Keywords | 球根切花 / 抑制栽培 / チューリップ / スイセン / スカシユリ / 長期貯蔵 / -2℃貯蔵 / 切花品質 |
Research Abstract |
チューリップ、スイセン、スカシユリをとりあげ、種々の発育段階より予冷方法を変えて、-2℃を中心とした異なる温度下で貯蔵し、球根の長期貯蔵の可能性を検討して、次のような結果を得た。 チューリップでは、雌ずい形成期に達した球根を9月上旬から4週毎に、乾燥あるいは湿潤状態で15℃に3週間おいた後、+1℃で2〜4週あるいは9℃で4週予冷を施した後、-2℃で長期貯蔵を行った。翌年の5月にこれらの球を取り出し、15℃一定下で栽培したところ、いずれの時期に貯蔵を開始しても、予冷を行って花芽が4cm余りに伸長した後、-2℃乾燥あるいは湿潤に移せば比較的品質のよい切花が得られた。しかし、秋まで貯蔵を続けると、満足な開花は得られなかった。 ラッパスイセンでは、-2℃貯蔵では球根が凍死し、-0.5℃、+1℃貯蔵では開花はしても品質が著しく劣り、長期貯蔵は不可能であった。ニホンスイセンでは、花芽分化前の7月初旬から5、10℃に移して、長期乾燥貯蔵してきた球を30℃3週+25℃8週+20℃4週に移して、花芽の分化発達を促した後、翌年9月に植え付ければ、品質のよい切花が得られた。 スカシユリでは、早生と晩生の品種を用い、11月から+1℃の湿潤予冷期間を0〜8週と変えた後、-2℃で長期貯蔵した球を翌年9月に植えた結果、品種の開花早晩性にかかわらず、+1℃で4〜8週間予冷した後-2℃に移すと、高い開花率で品質のよい切花が得られることが分かった。-2℃貯蔵球を異なる時期に植え付け、植え付け時期の影響をみたところ、夏の高温時に植えると、開花率、切花品質の著しい低下がみられたが、その他の植え付けでは問題がなかった。また、-4℃の貯蔵も試みた結果、全球発芽したが、発芽の遅れがみられ、開花までの栽培期間が特に9月植えでは長くなった。
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