1989 Fiscal Year Annual Research Report
球根切花栽培における新作型の開発-チュ-リップ、スイセン、ユリ類の抑制栽培
Project/Area Number |
63560036
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
今西 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20081549)
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Keywords | チュ-リップ / 抑制栽培 / 凍結貯蔵 / 秋季開花 |
Research Abstract |
本年度はチュ-リップに対象をしぼり、抑制栽培による秋季開花の可能性について検討し、次のような結果を得た。オランダで行われている方式にならって、前年の10月中旬に植え付け、15℃下で3週間発根を促した後、1℃で2週間予冷して-2℃湿潤で長期貯蔵してきたりん茎を10〜11月にとり出してきて、温室内で栽培したところ、開花率が高く、しかも比較的品質の良い切花が得られることが明らかとなった。栽培温度を変えてみた結果では、15〜20℃で切花品質が良くなった。しかし、品種によっては、適応下で栽培しても開花率の低いものがあり、品種の選択が重要であることも分った。 一方、-2℃乾燥の状態で長期間貯蔵してきたりん茎を用いた抑制栽培の可能性について検討した結果、9月下旬からりん茎を15℃、9℃さらに1℃と順次貯蔵温度を下げた後-2℃に移すか、12月上〜中旬まで室温で貯蔵してきたりん茎を1℃に2週間おいた後-2℃に移して長期貯蔵すると、比較的良好な結果が得られた。乾燥貯蔵球の栽培適温は15℃と低かった。-2℃乾燥長期貯蔵球を植え付け後5℃に7〜10日おいて発根させた後、自然温度に移すと、切花がやや長くなり、品質が改善された。また、植え付け後1葉展開時にGA100ppm+BA25ppm混合液を滴下処理すると、開花率は高まったが、茎の折れる個体が一部に発生し、問題であった。湿潤貯蔵球同様、秋季開花が期待できない品種も認められた。 以上の通り、-2℃乾燥貯蔵球を用いた抑制栽培については、実用化に向けて今後さらに検討を続ける必要があり、-2℃湿潤で凍結貯蔵したりん茎を用いた抑制栽培を行うのが現時点では望ましいといえる。
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Research Products
(1 results)