1988 Fiscal Year Annual Research Report
酵素ハイブリッドによる有用糖質の新しい合成法の開発
Project/Area Number |
63560124
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碓氷 泰市 静岡大学, 農学部, 助教授 (50111802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石戸 良治 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016037)
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Keywords | リゾチーム / 酵素ハイブリッド / 有用オリゴ糖 / 糖転位反応 |
Research Abstract |
近年機能性オリゴ糖が続々見出され、その機能特性の解明と相まって有用糖質の調整は先端課題となっている。そこでリゾチームを利用した人為的制御反応下での新しいオリゴ糖の合成の開発をおこなった。 ニワトリ卵白リゾチームの糖転移作用を利用し、ペンタ-N-Pセチルキトペンタオシドを供与体、P-ニトロフェニル-N-アセチルβ-D-グルコサミニドを受容体基質として1:12のモル比で2.5%基質濃度下、60%ジメチルスルホキシドを含む酢酸緩衝液(pH6.0)で30℃適当時間反応を行なうと反応経時に伴い沈澱を生じた。この沈澱を50%メタノール洗浄するだけで、クロマト操作を経ることなく直接目的物質P-ニトロフェニルペンタ-N-アセチル-β-.キトペンタオシドを高収率(供与体基質与たり46%)で分離することができた。本物質については既に人尿リゾチーム活性等の高感度測定基質として有用であることを著者は報告している。さらに本酵素を用い30%硫安存在下キチン分解酵素の最小単位であるジ-N-アセチルキトビオースを10%基質濃度を含む酢酸緩衝液(pH4.0)、70℃で作用させた。すると高収率で生理活性オリゴ糖である6.7糖のヘキサ-N-アセチルキトヘキサオース、ヘプタ-N-アセチルキトヘプタオースとを合成できた。このように人為的反応制御下で発現する糖転位反応を利用し、新しいオリゴ糖の合成、変換法を開発することができた。 これら研究成果を基盤に耐有機溶媒性の向上を目的として、リゾチームにいろいろな割合でポリエチレングリコールを導入した酵素ハイブリッドを調整した。しかしながら酵素活性は著しく減少し、さらに別な方法でのハイブリッド化を現在検討中である。
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Research Products
(2 results)