1989 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア菌をモデルとした森林土壌潜在微生物の発現機構に関する研究
Project/Area Number |
63560141
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 彰 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50110797)
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Keywords | アンモニア菌 / 森林土壌微生物 / 潜在微生物 / アンモニア濃度 / pH / 含水量 |
Research Abstract |
1.森林土壌(L〜F層)のNH_4-N量、pH、含水量を様々の値に調整したのち、放射線滅菌をおこなったものを用いて、Amblyosporiumbotrytis,Ascobolus denudatusを培養して以下の知見を得た。 A.botrytisの栄養成長および分生子形成に対して最も強い影響を与えたのはpH、次いで含水率、NH_4-N量であった。本菌の分生子形成に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率70%、NH_4-N濃度7.62X10^<-2>M〜16.OX10^<-2>Mであった。 A.denudatusの栄養成長および子のう盤形成に最も強い影響を与えたのはpHであった。本菌の栄養成長に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率65〜70%、NH_4-N濃度3.63X10^<-2>M〜7.62X10^<-2>Mであり、本菌の子のう盤形成に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率65〜75%、NH_4-N濃度0.82X10^<-2>Mであった。 2.合成培地を用いて各アンモニア菌の栄養成長時のNH_4-N濃度に対する生理特性を調査して以下の知見を得た。 A.botrytis,Coprinns phlyctidosporusの最適NH_4-N濃度は最も高く、1.54X10^<-1>M、次いでA.denudatusのそれは5.39X10^<-3>M,Lyophyllum tylicolor,Hebeloma vinosophyllumのそれは5.0X10^<-4>Mであった。 3.尿素処理に伴なう一般土壌真菌数の動態をPDAおよびPCAを用いた希釈平板法によって調査して以下の知見を得た。 尿素施与約2週間後にL〜F層、HA層ともに一般土壌真菌数が激減した。その後、一般土壌真菌数は増大に転じ、やがて対照区よりも高い値を示すようになった。この間に遷移前期のアンモニア菌が発生した。その後、一般土壌真菌数は激減して対照区のレベルに達した。この頃から遷移後期のエンモニア菌の発生が始った。
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Research Products
(1 results)