1990 Fiscal Year Annual Research Report
疲労試験中のエネルギ-ロスに及ぼす非対称負荷波形の影響
Project/Area Number |
63560164
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥山 剛 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 芳明 名古屋大学, 農学部, 助手 (80180909)
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Keywords | 疲労破壊 / 疲労限度 / 損失エネルギ- / 時間因子 / 負荷繰り返し回数 / 多段階試験 / 相互干渉 / 疲労破壊条件 |
Research Abstract |
先年度にひきつづき、疲労破壊に及ぼす時間因子と繰返し回数の因子について、非対称負荷波形を用いた実験によって検討した。 繰り返し負荷による損失エネルギ-は粘弾性に起因する部分と損傷伸属に起因する部分に分けて考えることによって,疲労限度と疲労寿命を実験的に推定することができた。すなわち、目的とする材料に一回ごとに負荷レベルの異なる繰り返し負荷を破壊まで加える多段階試験によって一回ごとの繰り返し負荷(σ_o)による損失エネルギ-(H)をもとめる。負荷の低いレベルでは、LogH=2Logσ_o+kの関係があり、これは木材の粘弾性によるものである。負荷レベルがある大きさ以上になるとこの関係が成り立たなくなり、上式に損傷に伴う損失エネルギ-が附加されるようになる。この直線関係がなりたたなくなる応力レベルσ_oが疲労限度である。一方、疲労寿命はH_2(σ_o)・Nf^<1/m>=kの実験的関係から推定できる。ここに、H_2は上記Hから粘弾項をさしひいてもとめられる損傷伸展に起因する損失エネルギ-である。mは4の定数となることが実験から得られた。 疲労破壊に及ぼす時間と繰り返し回数の因子の影響には線型則である疲労破壊条件 1=N_B/N_<BF>/N_<BF>+t_B/t_<BC>はそのままではなりたたない。ここに、N_B、N_<BF>、t_B、t_<BC>はそれぞれ、実際の破壊までの繰り返し回数、時間の因子を含まない(パルス状)負荷の繰り返し回数、繰り返し負荷中に負荷が実際にかかっていた時間、繰り返し回数の因子を含まない純粋クリ-プの破壊時間。従って、時間の因子と繰り返しの因子の相互干渉を考慮した破壊条件が必要となる。今回の検討結果によると、 1〓(N_B/N_<BF>)^<1/20>+(t_B/t_<BC>)の関係が得られた。相互干渉に加え履歴効果も含めた疲労破壊条件の検討が必要であり、この点は今後の検討課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小原 光博,奥山 剛: "Mechanical Responses of Wood to Repeated Loading V." 木材学会誌.
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[Publications] 小原 光博,奥山 剛: "Mechanical Responses of Wood to Repeated Loading VI" 木材学会誌.