1988 Fiscal Year Annual Research Report
穀物調製施設における穀粒移送パイプの騒音発生機構と放射特性
Project/Area Number |
63560239
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芝野 保徳 岡山大学, 農学部, 教授 (00033332)
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Keywords | 騒音分布 / 作業環境騒音 / 穀粒流れ / 穀粒騒音 / 放射騒音 |
Research Abstract |
1.穀物調製施設における騒音環境 穀物調製施設の例として1日の処理能力が48tonの中規模程度の精米施設の騒音環境を調査した。その結果、施設内の騒音レベルは76〜90db(A)の範囲にあり、特に作業者が常時操作を行う精米装置は88〜90db(A)と非常に高いことが明らかになった。このことから、作業者が就労時間内に受ける等価騒音レベルは84〜87db(A)であり、さらに一日間のそれは78〜83db(A)となり、これらの値は日本産業衛生学会の騒音の許容基準を越えており、また作業者の実際の年間就労日数が米国環境保護局の騒音の許容基準による年間許容就労日数の6〜10倍に相当することが判明した。 2.揚穀パイプ中を流動する穀粒の発生騒音 上記1.とは別途に実験室において揚穀機を供試して、揚穀バイプ中を流動する穀粒の発生騒音を穀粒の流動状態との関係で計測し検討した。その結果、揚穀パイプ中を流動する穀粒の発生騒音は中・高周波数帯域が主成分の定常騒音であり、その大きさは穀粒の流量変化に対してはさほど大きな変動はないが、揚程の増加に伴ってほぼ直線的に増大することが明らかになった。また、バイプの表面から放射される騒音レベルは95〜100db(A)と非常に大きく、その放射騒音分布は穀粒の流量が少ない時はパイプ表面全周でほぼ均一であるのに対し、穀粒の流量が多い時は穀粒がパイプ下側で密に流動することから、穀粒粒子群間あるいは穀粒とパイプ壁面との摩擦や衝突の増大に起因して、放射騒音分布はパイプ上側で小さく下側で大きな上下方向に短軸を有するだ円形状になることが明らかになった。 以上のことから、パイプ中の穀粒の流動騒音は穀物調製施設における主要な騒音源の一つと考えられた。
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