1989 Fiscal Year Annual Research Report
穀物調製施設における穀粒移送パイプの騒音発生機構と放射特性
Project/Area Number |
63560239
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芝野 保徳 岡山大学, 農学部, 教授 (00033332)
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Keywords | 穀粒流れ / 穀粒摩擦抵抗 / 穀粒摩擦音 / 穀粒衝突エネルギ / 穀粒衝突音 |
Research Abstract |
1.籾とその移送材料間の摩擦抵抗と発生騒音 移送パイプ中を流下する籾の発生騒音は、籾とパイプ壁あるいは籾粒子相互間の摩擦音に起因すると考えられるので、移送材料に鉄板、塩ビ板、金網等を選び、さらに籾粒子を一面に貼り付けた籾板も供試して、材質間の相違の一つの指標として、これら供試板が籾層表面を移動する際の摩擦抵抗を測定して、その際発生する摩擦音との関係を考察した結果、(1)摩擦係数は0.55(塩ビ板)〜0.78(籾板)の範囲にあり、摩擦係数の大きな摩擦板ほどその発生騒音は大きくなる。(2)摩擦板の移動に伴う籾層表面の籾粒子は、摩擦係数の大きい摩擦板ほど、又移動速度が増加するにつれてその動きは激しくなり、転がりを伴った動きが観察された。このため、(3)摩擦板の移動速度の増加に伴って、摩擦係数は直線的にやや減少の傾向がみられ、発生騒音は対数曲線で近似される上に凸の曲線を画いて増大することが認められた。 2.籾とその移送材料間の衝突エネルギと発生騒音 移送パイプ中を流動する籾の発生騒音は、上述の摩擦音の他に籾とパイプ壁あるいは籾粒子相互間の衝突音も大きな要因と考えられるので、上述の移送材料を供試して、籾の衝突エネルギと発生騒音の関係を考察した結果、(1)籾の衝突によって発生する衝突音は、衝突板の材質、形状、表面の形態の相違により衝突板固有の大きさになる。(2)籾の落下高さを一定にした場合、籾の落下流量の増加に伴って、発生騒音は対数曲線で近似される上に凸の曲線を画いて増大する。(3)籾の落下流量を一定にした場合、籾の落下高さの増加に伴って、発生騒音は直線的に増大する。(4)籾の落下高さ及び落下流量を一定にした場合、衝突板の衝突角度の増加に伴って、発生音は直線的に減少することが認められた。
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