1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63560247
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 智治 筑波大学, 農林工学系, 講師 (40015839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 隆顕 筑波大学, 農林工学系, 助手 (00170712)
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Keywords | 豚の脚弱症 / 骨の力学的特性 / 関節軟骨・海綿骨複合系 / 骨幹成形試験片 / 平板圧縮試験 / 押込み試験 |
Research Abstract |
本年度は、標準飼料の不断給飼により飼育した豚の大腿骨骨幹より、ほぼ一定サイズの円柱状試験片を成形し、平板圧縮試験による骨強度の計測を行い、また、骨軟骨症の好発部位である大腿骨骨頭より試料を採取し、関節軟骨-海綿骨複合系に対して押込み試験を行った。 1.骨幹試験片に対する平板圧縮試験結果(1)平板圧縮試験において、骨幹試験片はぜい性材料としての挙動を示し、破壊の際に塑性流動を生じなかった。(2)生体重99.6〜105.0kg、日齢157〜205日の豚の大腿骨骨幹の圧縮強さは134.3〜219.4N/mm^2の値を示した。(3)骨幹の粒子密度は平均1.79g/cm^3、灰分は平均53.5%であった。(4)本平板圧縮計測法によれば、従来の原型の試験片を用いた検討に比べ飼料成分の骨強度に対する影響を十分精度良く把握することが可能である。 2.関節軟骨-海綿骨複合系に対する押込み試験結果(1)体重82〜113kg、日齢145〜205日の供試豚の関節軟骨-海綿骨複合系に対する押込み極限強さは20〜40N/mm^2、見掛け弾性係数は41〜161N/mm^2、押込みエネルギ-は1.4〜3.2N・mの値を示した。(2)関節軟骨-海綿骨複合系の力学的特性値相互には本試験の範囲では正の相関(押込み極限強さとこわさ:r=0.872、同極限強さと見掛け弾性係数:r=0.779、同極限強さと押込みエネルギ-:r=0.542)が認められた。(3)試料の軟X線学的病変判定結果と本試験により得られた力学的特性値との比較から、病変の進行により、一時、力学的特性値は大きくなり、ついで病変の更なる進行により力学的特性値は小さくなるという一定の傾向が認められた。
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