1989 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ血清中の急性相反応物質に関する臨床病理学的研究
Project/Area Number |
63560304
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Research Institution | MIYAZAKI UNIVERSITY, FACULTY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
薄井 万平 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧村 進 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80003127)
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Keywords | ハプトグロビン / ディスク電気泳動 / リンパ球芽球化反応 / PHA / ConA |
Research Abstract |
前年度の研究の結果、健康成牛、病牛の血清中のHp、ムコ蛋白、シアル酸の測定は炎症性疾患の診断および病態把握に有用であり、また、とくに血清Hpの測定は、他の2成分を同時に測定することにより、炎症性疾患に潜在した溶血性貧血の合併症の診断にも有用であることが示唆された。 今年度は、昨年までの成果にもとづいて、以下のような研究実績が得られた。 (1)臨床応用としてディスク電気泳動(PAGE)法によるHpの簡易測定法を評価するために、PAGE法と分光学的測定法によるHp値(HbBC)とを比較した。両者はよく相関しており、PAGE法によるHp測定は簡易測定法として有用であることが確認された。 (2)Hpの生体防御機構における関与を解明する一端として、Hp、HpHbの牛末梢血リンパ球芽球化反応に及ぼす影響について検討した。PHA、ConAによるリンパ球の芽球化に対する精製Hpの添加効果は、低濃度側では増強効果を示したが、高濃度では反応阻害が認められた。ConAについては、Hpの添加量にしたがった反応阻害が認められた。一方、HpHbについては、低濃度側ではHpにみられたような反応増強は認められず、添加量にしたがった反応阻害が認められた。
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