1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570046
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鈴木 寿夫 弘前大学, 医学部, 教授 (00003351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小高 泰 弘前大学, 医学部, 助手 (10205411)
東 正夫 弘前大学, 医学部, 助教授 (60003563)
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Keywords | 前頭眼野 / サッケード眼球運動 / 皮質内微小電気刺激 / エルジロイ電極 |
Research Abstract |
前頭眼野は大脳皮質前頭葉にあり、弱い電気刺激でサッケード眼球運動を引きおこすことのできる部位である。マカクザルでは前頭眼野は弓状溝前部から溝前壁深部まで広がっている。本研究の目的は前壁深部を含めた前頭眼野全体でサッケード出力に関する機能的構成の有無を明らかにすることである。そのため本年度は、無麻酔の日本ザルを用い、脳表面に直角にすなわち弓状溝前壁部を溝と平行に横切るようにエルジロイ微小電極を穿入し、0.5ミリ毎に皮質内微小電気刺激を行い、生じるサッケードの振幅・方向・潜時・閾値等を調べた。目の動きの測定は我々が開発した角膜反射像を利用した眼球運動計測装置を用いて行った。脳内の正確な刺激位置を知るために、エルジロイ微小電極先端を電気分解によって溶かし脳組織に沈着させ、潅流固定液に加えたフェロシアン化カリによって沈着部位はを発色させ、脳組織切片上でそれを調べた。このようにして弓状溝前壁を含む前頭眼野全体として次のようなサッケードに関する機能的構成の有ることが明らかとなった。1.-側の前頭眼野は上・反対・下側のいずれかに向かう振幅30度以内のサッケードを再現していた。2.前頭眼野内の近くの部位は似た方向・振幅のサッケードを再現していた。3.前頭眼野の前内側部は大きな振幅のサッケードを再現し、そこから後方および外側のいずれにゆく場合も再現されるサッケードの振幅は小となった。 次年度は前頭眼野弓状溝前壁各部でサッケードに関する皮質の層的機能構成を調べる計画である。このため本年度に、電極穿入角度を自由に変えられるマイクロマニプレータを開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masao Azuma: Behav.Brain Res.27. 93-98 (1988)
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[Publications] 東正夫: 日本生理誌. 50. 16 (1988)
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[Publications] 鈴木寿夫: Equilibrium Res.47. 48-50 (1988)
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[Publications] Masao Azuma: J.Physiol.Soc.Japan. 50. 473 (1988)
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[Publications] 鈴木寿夫: "高次脳機能の生理学 (新生理科学大系12)" 医学書院, 383 (1988)