1988 Fiscal Year Annual Research Report
体内に於ける内毒素の動態-各種細胞による分解と修飾
Project/Area Number |
63570188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 郁子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金ヶ崎 士朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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Keywords | 内毒素の分解 / クッパー細胞によるLPSの脱アシル化 / クッパー細胞のLPS取り込み / 牛好中球のLPS取り込み / 抗LPSIgG / ミリスチン酸 / 3-OHミリスチン酸 |
Research Abstract |
1.ウイスター系雄ラット(体重300g)から1〜2×10^7ケのクッパー細胞を無菌的に単離し、無血清培地中で最長2週間培養出来る系を確立した。取り込み実験には単離後24時間以内の細胞を使用した。2.牛血液1lから4×10^9ケの好中球を単離した。3.大腸菌E112株を^3H-酢酸を添加した培養液中で培養した後菌体から^3H-LPS(R型、比放射活性1.29×10^4cpm/μg)を単離・精製した。サルモネラ菌(S.anatumA1epi14)を^3H-ガラクトース添加培養液中で培養し、菌体からH^3-LPS(S型、比放射活性3.2×10^6cpm/μg)を得た。4.兎をS型及びR型LPSで免疫し、免抗LPSIgGを作成した。5.1で単離したクッパー細胞と3で調製したR型及びS型^3H-LPSを用いてLPSのクッパー細胞への取り込みを調べた。細胞中の^3H量はR型^3H-LPSを用いた場合にはインキュベーション開始後24時間迄増加しその後減少した。取り込み量は反応液中へ添加した^3H-LPS量の増加に伴い増大したが、添加量の約3.5%にしかならなかった。S型^3H-LPSでは、R型の場合に比べて取り込み量が少く、12時間後にはプラトーに達した。6.クッパー細胞をR型^3H-LPSとインキュベーションした反応液から^3H-代謝産物を抽出し、TLCによって精製・同定したところ、^3H-3-0Hミリスチン酸及び^3H-ミリスチン酸が検出され、LPS中のこれらの脂肪酸がクッパー細胞によって脱アシル化されることが確認された。7.2で単離した牛好中球をR型及びS型LPS(脂肪酸部分標識)を含む反応液中でインキュベートし^3H-LPSの好中球への取り込みを調べた。好中球はR型よりもS型^3H-LPSをより多く取り込むという結果が得られた。又、抗LPSIgG存在下ではS型^3H-LPSの取り込みは著しく増加した。
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