1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570606
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塩谷 信幸 北里大学, 医学部, 教授 (80050376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 登隆 北里大学, 医学部, 助手 (60165503)
内沼 栄樹 北里大学, 医学部, 講師 (90146465)
猪原 節之介 北里大学, 医学部, 講師 (90101295)
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Keywords | 表皮培養 / 表皮細胞 / コラーゲン薄膜 / 架橋度 / 基底膜成分 |
Research Abstract |
本年度は、培養表皮細胞のキャリアーの材質上の改良と基底膜由来成分のキャリアーへの補足効果について2、3の検討を行なった。 1.キャリアーの改良 本研究室においては従来よりTypeIコラーゲン(アテロコラーゲン)製薄膜をキャリアーとした培養表皮移植法の開発が進められてきたが、物質透過性が低い(カットオフ:分子量1万)ことに帰因すると思われる移植床上の表皮の生着率が思わしくないという問題が重要な未解決課題であった。そこで、架橋度を低下させることにより透過性を増加(カットオフ:分子量30万)させたコラーゲン薄膜を開発し、in vitro表皮培養段階での表皮細胞の挙動を調べ、キャリアーとしての有効性を検証した。表皮細胞間の結合状態、細胞とキャリアー表面との接着の強さの点で、大幅な改善をみることができた反面、薄膜を介して線維芽細胞の共存効果が認められない点ではなお透過性の改良を要すと思われる。今後は、物質的強度を保つ一方、透過性をさらに増加させるため、キャリアーの基本構造を多孔性にする等の試みを行ないたい。 2.基底膜由来成分の補足効果について 表皮は細胞の伸展増殖は、TypeIコラーゲンをコートした基質上では必ずしも良好ではないことが文献的に知られるため、TypeIをキャリアーとする場合、伸展増殖に有効に作用する何らかの因子を組み込む必要がある。TypeIVコラーゲン、ラミニンあるいはこれら基底膜成分を多量に含むMatri Gel(市販)をキャリアー表面にコートしたときの、細胞培養条件下での表皮細胞の伸展増殖の程度を比較したところ、TypeIV補足と、TypeIV+ラミニン補足が対照(プレーンまたはTypeIコートのみ)に比べ有効と思われる結果を得た。これらの有効因子を上述コラーゲンスポンジに補足したときの効果を現在検討中である。
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Research Products
(1 results)