1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570644
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
金島 良一 大分医科大学, 医学部, 講師 (40185905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御手洗 義信 大分医科大学, 医学部, 助手 (70166049)
多田 出 大分医科大学, 医学部, 助手 (30163463)
小林 迪夫 大分医科大学, 医学部, 教授 (20038657)
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Keywords | ヒスタミン受容体拮抗剤 / Cimidine / Ranitidine / Famotidine |
Research Abstract |
外科的肝障害におけるヒスタミン受容体拮抗剤の肝再生におよぼす影響の検索(基礎研究I)として、まずラットに70%広範肝切除を施行し、外科的肝不全予備状態を作製し、以下の5群にわけて種々のヒスタミン受容体拮抗剤の残存肝への影響を検討した:I群(70%肝切除のみ)、II群(70%肝切+cimetidine40mg/kg、筋注)、III群(70%肝切+ranitidine8mg/kg、筋注)、IV群(70%肝切+famotidine0.8mg/kg、筋注)、V群(70%肝切+famotidine1.2mg/kg、筋注)、ヒスタミン受容体拮抗剤(cimidine,ranitidine,famotidine)は術直後、術後24および48時間後に投与し、肝再生率、肝細胞のMitotic Indexの測定、血液生化学検査、および組織学的検討を術後10日までおこなった。70%肝切除後の術後血清中のtransaminase値は、24時間でピークに達したが、cimidineおよびranitidine処置群(IIおよびIII群)ではコントロールに比べ、上昇傾向がみられ、一方、Famotidine処置群(IVおよびV群)ではその値はコントロール値と同程度であった。また、すべての群で残存肝細胞Mitotic Indexの最高値は術後30時間にみられたが、各群の絶対値を比較すると、コントロール(I群)にくらべて、IIおよびIII群で著しく肝細胞分裂が抑制されるのが判明した。他方、同じヒスタミン受容体拮抗剤Famotidine処置群ではこのような肝再生抑制効果が認められなかった(IVおよびV群)、現在、この現象を分析すると同時に、より障害度の強い実験モデル(90%肝切除)にて、肝DNA合成能を含めた検討を施行中である。
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Research Products
(1 results)