1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570799
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
荒井 清 帝京大学, 医学部産婦人科, 教授 (20082092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 聡子 帝京大学, 医学部産婦人科, 助手 (20193063)
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Keywords | 卵巣 / 下垂体 / ステロイドホルモン / ゴナドトロピン / ステロイドレセプター / ステロイド合成酵素 |
Research Abstract |
1.未成熟ラット卵巣をホモゲナイズし、R5020、estradiolをリガンドに用いてcytosol分画のRRAを行なった。その結果、ラット卵巣のプロゲステロンレセプター(PR)、エストロゲンレセプター(ER)の存在が証明された。これらのレセプターは卵胞の成長に従って増加し、黄体化すると減少することがわかった。 2.ラットの黄体細胞を培養したさいの、合成ステロイド剤(合成プロゲスチン、RU486)のP_4、20αOHP_4におよぼす作用が明らかになった。合成プロゲスチンは黄体細胞のP_4放出を増加させたが、それは20αOHase活性の低下によるものではなく、P_4合成量そのものの増加(すなわち3βーHSD,CSCC活性の上昇)が原因であった。RU486はこの合成プロゲスチンの作用をブロックしたが、その一因として黄体ホルモンのプロゲステロンレセプター(PR)経由の作用が考えられた。また、RU486をPMS-hCG前処置下垂体摘除未成熟ラットにs.c.で投与した場合、血中P_4に低下傾向はみられるものの、有意に低下しなかったことから、妊娠ラットにRUを投与したさいのluteolysisは主に下垂体や胎盤のホルモンの影響によるものであることが示唆された。 3.ラットでproestrusに分泌されるP_4はestrusのLHサージを阻止しているといわれている。我々がdiestrusにRU486を投与したところ、estrusにLHサージが出現し、上記のP_4の効果が証明された。また、E_2前処置去勢雌ラットでは連日LHサージが出現するが、これはP_4の投与で消失した。P_4と同時にRUを投与するとLHサージの消失は起きず、RUがP_4の効果を阻止したことがわかった。
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