1988 Fiscal Year Annual Research Report
内耳ウイルス感染における内リンパ嚢の免疫学的関与についての実験的研究
Project/Area Number |
63570803
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福田 諭 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20125347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間口 四郎 北海道大学, 医学部, 助手 (20199665)
田中 克彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (10004946)
|
Keywords | Guinea Pig Specific Cytomegalovirus(GPCMV) / 内耳ウイルス感染 / Action Potential(AP) |
Research Abstract |
(1)ELISA法を用いた抗GPCMYIgG抗体の測定は、モルモット胎児細胞の系を用いて試みたがコントロールのGPCMV非感染細胞でも非特異的発色を認める事があり、サンプル・抗体の希釈濃度、洗浄の回数、マイクロプレートフィルターそのもののもつ非特異的backgroundなどに検討を加え、更に正確なシステムを導入したい。 (2)プライエル反射正常のモルモットをGPCMY感作群と非感作群に分け、APにて聴力測定後、GPCMYを右側蝸牛に接種し、左側はコントロールとした。接種後2、4、6、8日目に再度APを測定し、蝸牛を光顕的に観察した。感作群では2、4、6、8日目で聴力はほとんど低下せず、また組織学的にも著変を認めなかった。非感作群では接種後6日目までほぼ直線的に聴力の低下を認め8日目では1例を除き測定感度以下となった。組織学的にも日を追って鼓室階を中心とする細胞浸潤、出血が強くなり、8日目には鼓室階・ワーゼンタル管内に典型的cytomegalic inclnsion body(owl's eye)の出現、ライスネル膜中皮細胞側への多核巨細胞の出現も認められた。incotivated GPCMYを接種したもの、両群の反対側の蝸牛には聴力障害もなく組織学的にも著変を認めなかった。GPCMYの感作群では聴力低下、内耳炎はおこらず感染は防御された。この防御機転解明のため、内リンパ嚢を検索中であるが、内リンパ嚢を含む側頭骨の完全な脱灰には6週間を要し、現在パラフィンブロックに包埋保存中であるので次年度は内リンパ嚢を中心に検索を進めていく予定である。 (3)免疫電顕のpre-embedding法にてGPCMY感染蝸牛の観察を始めたところで、鼓室階の感染細胞のウイルス抗原検索では陽性のデータを得ている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 石川和郎,佐藤信清,福田諭,田中克彦: Ear Reserch Japan. 20. (1989)
-
[Publications] 福田諭,石川和郎,田中克彦: 日本耳鼻咽喉科学会会報. 92. (1989)