1990 Fiscal Year Annual Research Report
内耳ウイルス感染における内リンパ嚢の免疫学的関与についての実験的研究
Project/Area Number |
63570803
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福田 諭 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20125347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 和郎 北海道大学, 医学部, 助手 (80212835)
佐藤 信清 北海道大学, 医学部, 助手 (70201530)
|
Keywords | Guinea Pig Cytomegalovirus(GPCMV) / 内リンパ嚢 / 内耳免疫 / 蝸牛軸静脈 |
Research Abstract |
本年度は未感作及び既感作モルモット蝸牛にGuinea Pig Cytomegalovirus(GPCMV)を接種し、2、4、6、8日目にAPにより聴力検査を施行し、内リンパ嚢、蝸牛を病理組織学的に、内リンパ嚢、蝸牛軸静脈を中心に観察した。また不活性化ウイルスを接種したものについてもコントロ-ルとして比較した。 聴力については、既感作、コントロ-ルでは2日目にわずかに聴力低下が認められたものの、4、6、8日目では聴力障害は認められなかった。これに対し、未感作モルモットでは2、4、6、8日目と日を追って聴力低下が認められ、8日目では1例を除き測定感度以下となった。 病理組織学的には未感作モルモットでは2日目より鼓室階を中心に強い炎症細胞浸潤、出血が認められ、6日目では巨細胞が出現し、8日目では典型的な封入体が認められた。これらの炎症細胞は明かに蝸牛軸静脈より浸潤していた。既感作群では2日目に基底回転蝸牛軸静脈より軽度の細胞浸潤が認められたがその後、細胞浸潤は日を追って消退し、8日目では認められなくなった。一方内リンパ嚢の細胞浸潤についても検討したが、既感作モルモットにてわずかに細胞浸潤が認められたが、それ程著明なものではなかった。 従って既感作モルモットにおける聴力低下の防御は蝸牛軸静脈からの特異的な免疫グロブリン、即ち液性抗体に依っている可能性も示唆された
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] S.Fukuda,et al: "Guinea pig cytomegalovirusーinduced labyrinthitis:An immunoelectron microscopic study" Otolarygology Head and Neck Surgery. 103. 236 (1990)
-
[Publications] S.Fukuda: "Viral infection of the endolymphatic sac and endolymphatic hydrops" Otology Japan. 1. 41-46 (1991)
-
[Publications] J.P.Harris,S.Fukuda,et al: "Spiral modiolar vein:Its importance in inner ear inflammation" Acta Otolarygol.110. 357-365 (1990)
-
[Publications] J.B.Nadol: "Meniere's Disease" Kugler & Ghodini Pub., 566 (1989)