1989 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄組織のレクチン結合様式に関する細胞組織化学的研究
Project/Area Number |
63570852
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
内海 順夫 明海大学, 歯学部, 教授 (20049357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 毅 明海大学, 歯学部, 講師 (80049410)
田島 義文 明海大学, 歯学部, 助教授 (80105593)
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Keywords | レクチン組織化学 / ヒトの歯髄組織 / ラット切歯歯髄 / ラット歯胚 / 移植歯髄 / 歯髄の石灰変性 |
Research Abstract |
前年度検討のヒトの歯髄(健全)についてのレクチン結合様式の追試検討を行った結果、ほヾ同様の成績を示し、ConA,WGA,RCA-1およびMPAで明らかな陽性を示した。またPNAについてはSialidase処理を行ったもののみ陽性を示したが、これは処理前はmaskingされ確認できなかったGa-lactose-N-acetyl-D-galactosamineが処理によりSia部で断たれ確認できるようになったと考えられる。今年度、新たに検討したラット切歯歯髄と根端相当部歯胚構造におけるレクチン結合様式について現在まで得られた知見は次のとおりである。用いたレクチンはSBA,PNA,DBA,LPA,MPA,LFA,GS1-B_4およびUEA-1である。全般に染色性のみられたものはSBA,PNA,LFA,MPAおよびGS1-B_4であった。なおneuraminidase前処理によりSBAとPNAは染色性に違いがみられた。dentinal tubulesはLEAに陽性で、odontoblastはneuraminidase前処理でSBAに陽性を示したodontollast'layerのcapillariesは酵素未処理ではMPA,GS-1B_4とLFAが陽性で、処理したものではDNAとSBAが染色性を示した。固有歯髄組織では未処理切片ではLFAがdiffusen、処理切片ではPNAとSBAがdiffuseに染色性を示した。なお陽性部は細胞突起と基質線維が中心であった。またラット切歯歯髄の頭部皮下移植実験により歯髄の変性、とくに石灰変性とレクチン結合様式について検討した結果、次の知見を得た。用いたレクチンはConA,WGA,PNA,RCA-1,UFA-1,DBAおよびSBAである。石灰化物の周囲、石灰化前線で強陽性を示したのはWGAのみで、ConAとRCA-1が弱陽性を示した。その他のレクチンは陰性所見であった。このことから石灰化前線部ではN-acetyl-D-glucosamineないしシアル酸が密に局在し、石灰化と何らかの関連を示す知見を得た。 なお、ラット臼歯部歯髄における知見は標本調整が不十分で、結論が得られなかったので、現在実験続行中である。
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