1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570873
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
太田 房雄 徳島大学, 歯学部, 助教授 (90035478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 義博 徳島大学, 保健管理センター, 助教授 (00035768)
長宗 秀明 徳島大学, 歯学部, 助手 (40189163)
福井 公明 徳島大学, 歯学部, 教授 (40035407)
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Keywords | 単クロン抗体 / ミュータンス連鎖球菌群 / 型特異性 / 多糖体抗原 / EIA / 抗原決定基 / 表層抗原 |
Research Abstract |
63年度に予定された計画としては、ミュータンス連鎖球菌群の8血清型のうち、a、b、c、d型に対するモノクロン抗体(MAb)を作製し、その特異性と、それに対応する抗原決定基を化学的方法、免疫学的反応等により調べることであった。得られた抗a-MAbはa型菌のみに特異的で、酵素免疫抗体法、2次元電気泳動法、SDS-PAGE、インムノブロット等による解析から、従来報告された抗原とは異なり、分子量が185Kダルトンの蛋白質で、これをCri蛋白と名付けた。競合酵素抗体法による阻害実験によると、この抗原決定基はマンノサミンを含む可能性が示唆された(英文誌発表準備中)。抗b-MAbはb型菌のみに反応し、従来多クロン抗体を用いて報告されたリポタイコイン酸抗原と反応し(英文誌発表済)、その抗原決定基はガラクトースと考えられた(英文誌投稿準備中)。C型菌のみに特異的なMAbは得られなかった。しかし、c、e、f型とのみ反応する5つのMAbが得られ、その内4つは多糖体を認識し、その抗原決定基はN-アセチルグルコサミンを含むと考えられた。残る1つについては解析中である。この5つのMAbはう蝕の予防薬として、抗原物質はワクチンとして使用できる可能性がある。抗体d-MAbとして得られたMAbはd型菌に特異的でないが、a、d、h型とd、g、h型とのみ反応した。これらの抗原決定基は各々メリビオースとガラクトースを含むと考えられた(英文誌投稿済)。また、一部のMAbはゲル内または水溶液中で沈降反応を生じず、抗原決定基の解析に困難を極めたので、酵素免疫法を用いる新しい経済的に優れ、より迅速な方法を開発した(英文誌投稿済)。以上の結果は、国内、国外の主な学会で発表された。更にこれらのMAbを臨床分離株の簡易迅速診断に応要する方法をも確立できたので、当初計画以上の成果が得られ研究遂行の意義は大きく、次年度計画されているe、f、g、h型に関する同様の研究とそれらの発展が大いに期待される。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 加藤裕久: 微生物. 4. 252-259 (1988)
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[Publications] Fusao Ota: Zentralblatt fur Bakteriologie Mikrobiologie und Hygiene A. (1989)
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[Publications] Fusao Ota: Zentralblatt fur Bakteriologie Mikrobiologie und Hygiene A. (1989)
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[Publications] Fusao Ota: Journal of Immunological Method.
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[Publications] 太田房雄: 日本細菌学雑誌. 43. 328 (1988)
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[Publications] 長宗秀明: 日本細菌学雑誌. 43. 222 (1988)
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[Publications] 長宗秀明: 生化学. 60. 641 (1988)
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[Publications] 長宗秀明: 歯科基礎医学会雑誌. 30. 153 (1988)
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[Publications] 太田房雄: 日本細菌学雑誌. 44. 419 (1989)
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[Publications] 長宗秀明: 日本細菌学雑誌. 44. 420 (1989)
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[Publications] 弘田克彦: 日本細菌学雑誌. 44. 342 (1989)
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[Publications] Fusao Ota: "「Recent Advances in Streptococci and Streptococcal Diseases」Heterogeneity of streptococcal strains showing group E specificity" Reedbooks, (1988)
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[Publications] Hirohisa Kato: "「Recent Advances in Streptococci and Streptococcal Diseases」Monoclonal antibodies to Streptococcus sobrinus antigen" Reed books, (1988)
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[Publications] 長宗秀明: "「最新電気泳動法」第7章タンパク質の検出法" 廣川書店, (1989)