1989 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-セラミック材を用いた骨形成部位への歯の萌出及び矯正学的歯の移動に関する研究
Project/Area Number |
63570970
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鐘ヶ江 晴秀 昭和大学, 歯学部, 講師 (90119173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 茂 昭和大学, 歯学部, 助手 (20195986)
鮎瀬 節子 昭和大学, 歯学部, 助手 (40175683)
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Keywords | 骨補填材 / 歯の萌出 / ニュ-セラミック材 / HA顆粒 / 歯の移動 |
Research Abstract |
口唇裂口蓋裂患者の顎裂部に対する骨補填には、従来より腸骨移植など自家移植が行われており、良好な骨形成の結果が得られている。また同部への歯の萌出や矯正学的歯の移動に関しても、正常な歯槽骨の場合と同様な結果が報告されている。しかし、自家骨移植の場合には、骨採取による患者の負担や採取量が制限されるなどの問題がある。このため近年では、ニュ-セラミックス材による補填も有用な方法として注目されている。しかし、ニュ-セラミック材には形状、性状の異なる数多くのものが使用されており、どの材料が最も骨補填材として優れているかは明解にされていない。さらに、骨補填部への歯の萌出や移動に対する影響についても不明であり、若年者や矯正治療を受けようとする患者に使用することには問題がある。そこで本研究では、1.まず各種ニュ-セラミック材を骨膜下に移植し、組織学的検討を加え、骨補填材として最適のものを検索し、2.検索された骨補填材を抜歯窩に移植し、後続永久歯に対する影響と、3.隣在歯の同部への移動に対する影響を検討した。実験1の結果、骨補填材としては、焼成温度1100℃、500〜600μのHA顆粒が、最適であると考えられた。このHA顆粒を用いて、補填部への歯の萌出、および歯の移動を行った。歯の萌出力により、HA顆粒は、萌出の遅延や歯質の吸収は認められず、HA顆粒は押し退けられる状態で、歯が萌出しした。また矯正力によりHA顆粒内に歯の移動を行うと、HA顆粒は遠心方向にやはり押し寄せられていたが、歯根表面に吸収像が認められ、同じように移動を行った対照群に比べ、傾斜が大きかった。しかしながら、吸収の程度がかなり少なく、矯正治療を行う上で、問題にならない程度どあるか否かは、まだ不明である。今後、この点に関しては、さらに検索が必要と思われる。
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[Publications] 杉本明,大野康亮,道健一,鐘ヶ江晴秀,鮎瀬節子,立川哲彦: "インプラント材による顎裂部補填手術に関する実験的研究 ーTCP顆粒径、焼成温度の異なるハイロキシアパタイト顆粒の組織所見についてー" 日本口蓋裂学会雑誌. 14. 272 (1989)