1988 Fiscal Year Annual Research Report
外部機構による振戦制御法開発のための振戦発生機序の理論化
Project/Area Number |
63571075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 瞭 東京大学, 医学部, 助教授 (00009937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 研二 東京大学, 医学部, 助手 (70010030)
斎藤 正男 東京大学, 医学部, 教授 (60010708)
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Keywords | 生理的振戦 / モデル / 伸張反射 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
目的 筆者らは先に,脊髄反射と上位中枢反射を考慮した生理的振戦の2反射ループ理論を提案した。このモデルでは,持続振動条件下で角変位と筋収縮力の間の位相角の周波数特性に基づいて議論を進めているが,まだ実験的に十分裏付けされていなかった。本研究は,外部機構による振戦制御法開発のための基礎づけとして,姿勢保持時と機械的加振時について,加速度と筋電図等の信号間の位相特性を解析し,理論の改良と実用化を計ることを目的とする。 方法 自励振動を測るための姿勢保持と,強制振動のための機械的加振の2つの方法を用いる。姿勢保持時には前腕を台で支持し,手を握って水平に保持する。加振時は,手首の骨格部を加振器に固定して加振信号を加え,手の応答を測定する。加速度センサを手背と手首に装着し,筋電図は橈側手根伸筋から導出する。データレコーダに記録後,加速度と整流筋電図をアナライジングレコーダ(FFTモジュール付)で分析する。手と手首の加速度,および手の加速度と筋電図について,クロススペクトルの加等平均後,位相チャートから位相を読取る。 結果 姿勢保持時,加振時とも,パワースペクトルに比べ位相持性は個人差も少なく,同一個人での再現性も良く,理論解析に適していることがわかる。筆者らの2反射ループ理論を適用して検討した結果,次の理論がえられた。 (1)モデルにおいて,脊髄反射のゲイン,および上位中枢反射対脊髄反射のゲイン比を変化させることにより,種々の特性変化が説明できる。 (2)力学系のモデルは現実を良く表わしているが,伸張反射系のモデルについては更に検討が必要である。
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[Publications] 渡辺瞭: 第3回主体・生理工学シンポジウム論文集. 251-254 (1988)
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[Publications] 渡辺瞭: 第27回日本ME学会大会論文集. 656 (1988)
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[Publications] A.Watanabe: Proc.World Cong.Med.Phys.Biomed.Eng(San Antonio). 370 (1988)