1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580054
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
畑江 敬子 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (50156337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美鈴 お茶の水女子大学, 家政学部, 非常勤講師
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Keywords | 養殖魚 / 天然魚 / テクスチャ- / 官能検査 / 判別分析 / 結合組織 |
Research Abstract |
養殖魚と天然魚のテクスチャ-が異なる原因としてしばしば脂質含量の異なることが指摘されている。また、筆者らは先に魚肉の生肉の硬さと結合組織量との間に相関があることを報告している。養殖魚と天然魚のテクスチャ-の差に対しても結合組織の影響が考えられる。そこで、脂質の定量および結合組織の定量を行い、テクスチャ-の差に対する影響を検討した。試料は昨年度にテクスチャ-を測定した3魚種、マダイ,ヒラメ、ハマチの養殖魚と天然魚を用いた。 脂質量は、マダイ,ハマチにおいて天然魚より養殖魚の方に多く、ハマチで著しかった。ヒラメは養殖魚と天然魚にほとんど差がなかった。この理由としては、ヒラメは縁側とよばれる背ビレの部分に脂質を多く貯蔵するため、本研究の対象となった背肉にはそれぼど差がなかったと考えられた。前報でさしみとして食べた場合に養殖魚と天然魚のテクスチャ-に差が少ない魚種はヒラメであり、テクスチャ-に最も差が大きかった魚種がハマチであったことの原因の一部にこのような脂質量が関与しているといってよい。 結合組織については、主な成分であるコラ-ゲンを定量した。コラ-ゲン量は養殖魚より天然魚の方に多かった。ここでも、テクスチュロメ-タ-で測定した硬さの値とコラ-ゲン量との間に相関が見られた。さらにコラ-ゲンの熱的性質を示差走査熱量計を用いて測定し、昇温時の吸熱ピ-ク温度および吸熱量を求めた。その結果、一部の魚種において養殖魚と天然魚との間に吸熱ピ-ク温度および吸熱量に差のあることが認められた。このような熱的性質の差については、今後さらに検討する予定である。
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Research Products
(1 results)